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オープンダイアローグ 私たちはこうしている

オープンダイアローグ 私たちはこうしている
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筆頭著者 森川 すいめい (著)

医学書院

電子版ISBN 978-4-260-64803-5

電子版発売日 2021年9月27日

ページ数 196

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-260-04803-3

印刷版発行年月 2021年8月

DOI https://doi.org/10.11477/9784260648035

書籍・雑誌概要

オープンダイアローグは面白そう、でもどこから始めたらいいのか分からない――。

そんな疑問にまっすぐに答えたのが本書です。
具体的な声のかけ方・応答例から、対話セッションの進め方や臨場感あふれる実事例まで、著者と仲間たちがいま実際に日本の臨床現場で行っていることを包み隠さず紹介しました。
対話を開く「工夫」や「アイデア」に満ちた本書を頼りに、オープンダイアローグの「はじめの一歩」を踏み出しましょう!

目次

はじめに

序章 オープンダイアローグはこうして生まれた
  診断と治療だけでは助けにならなかった
  オープンダイアローグの根源
  ケロプダスがオープンダイアローグを知らなかった頃
  オープンダイアローグが生まれた日
  Need-Adapted Treatmentと何が違うのか
  ビルギッタの一言
  ゴールは「対話そのもの」
  医学から対話へ
  まずは病棟で話を聞くことから
  話したい場所で聞く
  最初の調査
  オープンダイアローグは1日で誕生する
  Column 「私たちのやり方を真似しないでください」

第1章 ふたつの土台
  実際の「対話セッション」の様子1
 1 その人のいないところでその人の話をしない
  申し送りも相談も「その人のいるところで」
  「支援する/される」という力関係が対話を阻害する
  困っているそのスタッフが「本人」
  子どものことで相談している家族が「本人」
 2 1対1で話さない――専門スタッフは2名以上
  専門職の意見が一致しないことが大切
  ひとりで対話をする工夫――私のやり方
  Column 7つの原則をどう考えるか

第2章 つねに意識しておきたいこと
 1 一人ひとりが特別
  「接遇」以前のこととして
  話す機会を公平にする
  優劣のない関係性を守る
  「現場で決めていけないこと」だけを決める
  垂直の関係性を意識する
  相手の考えはつねに自分の理解を超えている
  「理解しようとする」態度そのものが助けになる
 2 ポリフォニーを意識する
  不安が声を押さえ込んでしまう
  自分の楽器を持ってジャズのセッションに参加する
  スタッフもまたひとりの奏者として
 3 不確かさの中に留まる
  すぐに答えに飛びつかない
  こう言って不確かさに留まる――私のやり方
  プロセスを信頼する
 4 透明性を保つ
  自分がどう思ったか話す「責任」が専門職にはある
  質問さえ脅威になる
  リフレクティングと透明性
  専門職がひとりのときにはどうするか
  Column 話すスペースをつくる

第3章 対話の場を設定する
 1 いつ行うか
  即時に応答する
  電話を受けることに集中できる体制をつくる
  電話口にはシフト表――その場で決める
 2 誰を招くか
  招待するという感覚
  4つの質問をしてみる――ソーシャルネットワークが見えてくる
  最初から参加も、途中から参加も
  対話の場に医師が参加することは少ない
  担当スタッフはずっと同じ
 3 準備はしない
  事前の打ち合わせ、事後のカンファレンスはしない
  すべては「その場」で考える
  「いないところで話す」必要があったらどうするか
  対話中はメモをとらない
 4 どこに座るか
  本人が話したいと思う場所にする
  輪になって話す
  座る席を選んでもらう
 5 時間はどうする
  60分でさえ難しい……
  対話のあとに対話が続くことが大事
  必要があれば連日開く
  時間差で対話する
  Column 精神科訪問看護を利用してみよう

第4章 セッションを始めよう!
 1 オープニング
  チェックインを確認する
  自己紹介を2回するくらいのていねいさ
  対話の場を温めるための準備運動
  最初に経緯と期待を聞く
  2回目以降はどう聞くか――私のやり方
 2 全員の声を聞く
  なぜ全員に聞くのか
  それぞれの必然性に従った「公平」
  ひとりで話したいと言われたら――私のやり方
 3 リフレクティング
 4 クロージング
  細心の注意が必要
  最初に終わりの時間を確認する
  残り15分でどうするか
  最後は本人たちの声で終える
  むずかしい対話場面の終え方
  次を決めることでチェックアウト
  Column 統合失調症の患者数はさらに減る

第5章 対話を促進させる工夫
 1 話すことと聞くことを分ける
  たとえばこんな言い方をする
  話す順番の決め方
  誰が話者なのかを明確に示す
 2 話したいことを話せるように
  臨床でよくある場面
  ジャッジされたら二度と話さなくなる
  話したいことと話したことは違うかもしれない
  話を聞くことで精神状態が不安定になるとは?
 3 話し手が自分の声を聞くのを助ける
  話していることをいちばん聞いている人は誰か?
  間にはさまざまなものが生まれる
  沈黙に戸惑ったら聞けばいい
  聞いたことを繰り返してみる
 4 精神医学的問題をどう扱うか
  診断名はいったん脇に置く
  妄想は結果
  最初の3回は抗精神病薬を処方しない
  ケロプダス病院での薬の位置づけ
  抗精神病薬をやめるときは慎重に
  睡眠薬は最初から数日間処方することがある
  「そのように感じたのはいつからですか?」
  Column 暮らす場所によって薬の量は変わる

第6章 リフレクティングを身につける
  実際の「対話セッション」の様子2
 1 リフレクティングはなぜ必要なのか
  専門職の意見は聞きたいが……
  リフレクティングという工夫
 2 リフレクティングの基本的な考え方
  内的会話と外的会話
  「話す」と「聞く」を構造的に分ける
 3 リフレクティングに役立つ小さな工夫
  やってはいけないこと
  アバウトネスではなくウィズネスで
  話された言葉をそのまま使う
  話されなかったことは話さない
  ちょうどよい差異を意識する
  リフレクティングチームの話は短めに
  参加者は聞いていなくてもいい
  2回目の中断があったらリフレクティングはやめる
  視線は合わせない
 4 リフレクティングの始め方と終え方
  始めるタイミングは?
  ていねいな言葉で始める
  本人たちの声で終わる
  Column あるリフレクティング

第7章 対話的な組織になるために
 1 対等に対話をする試み
  先生と呼ぶのをやめてもらった
  スタッフ間での会議を対話的にした
  私自身が対話のトレーニングを行った
 2 組織としてのチャレンジ
  仲間づくり
  対話トレーニングプログラムをつくった
  話し合い続ける
  Tolerance of Uncertainty(あきらめない)
  Column 1回目は意思決定をしない会議

おわりに
著者紹介