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病院前救護学
筆頭著者 郡山 一明 (著)
医学書院
電子版ISBN 978-4-260-64275-0
電子版発売日 2020年9月14日
ページ数 178
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-260-04275-8
印刷版発行年月 2020年8月
書籍・雑誌概要
1つ上のキャリアを切り開く新時代の救急救命士のために! ベストセラー『救急救命士によるファーストコンタクト』の著者が、指導救命士を目指す読者を意識してまとめた「病院前救護学」の決定版。病院前救護とは何か(定義)、救急救命士のための現場論・チーム論・訓練論、組織における人材育成論や地域解析論など、中堅以上の救急救命士や消防行政のマネジメント層に必須の知識を、理論と実例を豊富に紹介しながら解説。
目次
1章 病院前救護とは何か
1.病院前救護の機能と構造
1)医療との協働活動
2)公的活動と私的活動の連結体
2.病院前救護の特異性
1)「引き算」なのか「足し算」なのか
2)「場」の存在
3)曖昧性
4)生命の直結性
5)マルチタスク性
6)相反性
7)多様性とその教育
3.病院前救護を支える法律
1)関連法律
2)法からみた病院前救護の構造と問題点
4.活動の質を支えるシステム
1)プロトコール
2)事後検証
3)メディカルコントロール
2章 現場論
I.総論
1.現場とは何か
1)[事例1]ホテルニュージャパン火災
2)[事例2]松本サリン事件
2.現場の特徴
1)被災者の存在
2)事態の突発性
3)場所の不定性
4)規模の曖昧性
5)原因の不可視性
6)事態変化の非予測性
7)事態変化と体制構築の乖離性
8)対応力の限界性
9)対応者の安全限界性
3.現場活動の意思決定論
1)概要
2)システムループ
4.システムループを阻害する因子
1)状況把握の阻害因子
2)方針決定を阻害する因子
3)指揮を阻害する因子
II.各論
5.症状とは進行している病態の可視部分である
6.救急活動の特殊性
7.救急救命士のシステムループの特徴
8.それぞれのシステムループ
1)場(出場途上を含む)の把握
2)傷病者の病態把握
3)方針決定
4)指揮
9.医療機関への連絡
1)情報資料ではなく,解釈を伝える
2)医療機関が知りたい大項目
3)受信者である医師の心得
3章 チーム論
1.チームとは何か
1)チームの位置づけ―人の集まりの定義と分類
2)チームの分類
3)チームの意義
4)チーム特性
5)リーダーシップ
6)フォロワーシップ
7)リーダーシップとフォロワーシップ
2.チームをいかに育てるか
1)コミュニケーションの重要性
2)チームの発達段階
3)チームづくり
3.タスクフォース活動の特徴と対策
1)集団の弱点
2)事前の対策
4章 訓練論
1.訓練とは何か
1)定義
2)訓練と経験,メンタルモデル
3)訓練の利点
2.訓練の構成要素
1)学習理論
2)訓練設計理論
3)指導理論
4)訓練計画
3.訓練における思考判断と技術の変遷
5章 組織における人材育成論
1.プロフェッショナルとは何か
1)プロフェッショナルの変遷と定義
2)プロフェッショナルに必要な能力
2.プロフェッショナルを育成する「場」としての組織
1)組織別パターンからみた消防の人材育成
2)救急救命士に対する組織教育の現状
3)消防における人材育成と組織のあり方
3.救急救命士の熟達段階
1)救急救命士のモチベーション
2)チクセントミハイのフロー理論とその応用
3)救急救命士の熟達曲線
4.質の高いOn the job training
1)OJTを考えるために知っておくべき2つの基盤
2)全体統合のための「雪だるまモデル」
3)現場での学び
6章 地域解析論
1.地域解析の目的
2.地域の病院前救護体制のPDCAサイクル構築
1)PDCAサイクル
2)病院前救護体制のPDCAサイクル
3)地域社会構造の変化と影響を踏まえる
3.地域のPDCAサイクル管理
1)統計の意義
2)他地域と比べる
3)自地域を調べる
7章 これからの病院前救護
1.現場活動の視座から─現場活動,臨床医学の発展
1)何を課題とすべきか
2)病院前救護活動地図を作る
2.社会システムの視座から
1)持続可能な病院前救護
2)プロフェッショナルになる
索引