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筆頭著者 一般社団法人 日本がん看護学会 (監)
その他の著者等 松原 康美
医学書院
電子版ISBN 978-4-260-62777-1
電子版発売日 2016年9月12日
ページ数 192
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-260-02777-9
印刷版発行年月 2016年6月
書籍・雑誌概要
がんの進行・病状の悪化、治療や症状緩和に用いる薬剤など、複数の要因が関連し生じることが多いがん患者の排便障害。慢性的に経過し生命に直接かかわることは少ないが、患者のQOLに影響する。看護師は病態や治療をふまえたアセスメントを行い、日常生活や自尊心に配慮したケアが求められる。本書では、排便ケアの基礎知識から、治療や病態に伴う排便障害とそのケア、スキントラブル時の対応や術前からのストーマケアを解説。
目次
第1章 がん患者の排便ケアに必要な基礎知識
1 排便のメカニズムとその障害
1 消化管の役割・運動
2 大腸についての理解を深める
3 排便のしくみ
4 便秘
5 下痢
2 排便障害の原因とアセスメント
1 排便障害の定義と原因
2 排便障害のアセスメントの進め方
3 排便障害に関するアセスメントツール
1 CTCAE ver4.0-JCOG
2 ブリストル便形状スケール
3 日本語版CAS
4 Wexner Score
5 Rome III
6 King's Stool Chart
7 排便障害評価尺度 ver. 2
4 排便障害の治療
1 がん患者の便秘
2 がん患者の下痢
3 がんの手術
4 腸閉塞に対する治療
5 直腸がん手術
6 結腸人工肛門
7 小腸(回腸)人工肛門:一時的な人工肛門造設
第2章 がん治療における排便ケア
1 化学療法における排便ケア:下痢
1 定義と病態
2 アセスメント
3 治療方法
4 セルフケア支援
5 排泄物と曝露対策
2 化学療法における排便ケア:便秘
1 便秘を起こしやすい薬剤と発生頻度
2 アセスメント
3 治療・対処方法
4 看護のポイント
5 セルフケア支援
3 放射線治療における排便ケア
1 下痢を起こしやすい照射部位・方法
2 放射線性腸炎とは
3 発症時期と症状
4 観察とアセスメント
5 治療・対処方法
6 看護のポイント
7 セルフケア支援
8 二次的障害(皮膚障害,痛みなど)の予防と対処
第3章 進行がんに伴う排便ケア
1 播種性病変がある場合の便通対策と症状緩和
1 腹膜播種について
2 腹膜播種による症状
3 消化管閉塞に対する治療
4 腹水に対する治療
5 便通対策
2 オピオイド系鎮痛薬使用中の便通対策
1 オピオイドによる便秘の機序
2 便秘対策に用いられる薬剤の種類・特徴・使用方法
3 観察とアセスメント
4 日常生活の支援
5 二次的障害(悪心,食欲不振など)への対処
3 下血の原因とケア
1 一般的な下血とその対応
2 進行がん患者における下血
第4章 下痢・便失禁に伴うスキントラブルのケア
1 スキントラブルの観察とアセスメント
1 下痢・便失禁の原因アセスメントと観察
2 失禁関連皮膚炎(IAD)の発生機序
2 スキントラブル発生時のケア
1 予防ケア
2 スキントラブル時のケア
3 瘻孔がある場合のスキンケア
1 瘻孔の種類と発生要因
2 下痢・便失禁を伴う瘻孔の種類と患者が抱える苦痛
3 下痢・便失禁を伴う瘻孔発生時のスキンケア
4 排泄物の性状・量をアセスメントした排泄ケア用品の選択
5 症状緩和を目的としたストーマ造設
第5章 消化管ストーマ造設患者のケア
1 術前のケア
1 術前ケアの目標
2 情報提供と相談
3 マーキング
2 術後入院中のケア
1 消化管ストーマの分類
2 消化管ストーマ造設の対象と術式
3 セルフケア確立に向けての支援
3 日常生活における情報提供
1 日常生活における留意点
2 ストーマ外来
3 患者会
4 ストーマサバイバーへの支援
4 ストーマ閉鎖術前後のケア
1 増加するcovering stoma(diverting stoma)造設
2 術前のストーマ部観察とケア
3 排便障害が起こりやすいケース
4 骨盤底筋体操
5 緩和ストーマを造設する患者のケア
1 緩和ストーマとは
2 周術期のアプローチ
3 退院後の療養生活支援
6 ストーマ造設に関する社会保障制度
1 身体障害者手帳
2 障害年金について
3 傷病手当金
4 税金の医療費控除
5 介護保険や障害者総合支援法による介護サービス
6 相談窓口
第6章 療養生活の支援
1 排便障害専門外来の実際
1 排便障害専門外来受診時の流れ
2 外来での実際
3 排便障害治療におけるWOCNの役割
2 下痢・便秘時の栄養管理
1 良好な排便コントロールの条件
2 下痢のときの栄養管理
3 便秘のときの栄養管理
4 経管栄養管理
5 栄養補助食品の利用
3 排便ケアにおけるチーム医療の実際
1 チーム医療(チームアプローチ)の必要性
2 排便障害をもつがん患者に対する看護師の役割
3 入院・外来・在宅におけるシームレスなケア
4 がん患者の排便障害へのチームアプローチの実際
索引
Column
下痢と便失禁の疫学
便失禁によるQOLへの影響
粉状皮膚保護剤含有軟膏を用いたスキンケア
ウイルス性疣贅に注意
日本オストミー協会の歴史と今後の課題
わが国における緩和ストーマ研究の動向
当院の排便障害専門外来延べ受診者数の動向
排便ケアを行う際の医師の視点