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筆頭著者 一般社団法人 日本がん看護学会 (監)
その他の著者等 近藤 まゆみ/梅田 恵
医学書院
電子版ISBN 978-4-260-62480-0
電子版発売日 2016年6月6日
ページ数 200
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-260-02480-8
印刷版発行年月 2016年3月
書籍・雑誌概要
がん看護の現場にはさまざまな倫理的問題がひそんでいる。しかし、そこに問題があることに気づかなければ、日々のケアに流されてしまい、後に複雑化して直面することにもなりかねない。本書では、安全の確保、治療法や療養の場の意思決定、価値観の共有といった、がん看護で多くみられる場面を事例として取り上げた。看護師が抱く“もやもや”に隠れた倫理的問題を分析する思考と、解決へ向けた看護師の実践について解説する。
目次
第1章 総論 がん看護の日常と倫理
1 看護師に求められている役割とは
1 看護倫理と看護職
2 看護倫理は日常の中にある
3 人間の尊厳を大事にするとはどのようなことか
4 倫理問題に取り組むための力を身につける
5 看護倫理の問題に取り組むしくみ作り
6 看護倫理の思考と実践のプロセス
7 看護倫理への取り組みは看護の質を高める
2 自律して患者と向き合うとは
1 自律した看護とは
2 看護師としての倫理的問題への取り組み
3 がん看護と看護倫理
1 がん看護における倫理の重要性
2 がん看護で重要となる倫理的問題
3 倫理的問題を検討するためのツール
4 対象である患者の力を捉える視点-がんサバイバーシップとセルフアドボカシー
1 がんサバイバーシップとは
2 がんサバイバーシップにおけるアドボカシーの歴史
3 セルフアドボカシーとは
4 セルフアドボカシーの力を高める
5 セルフアドボカシーの成長
第2章 事例とともに考える がん看護の日常にある倫理
[事例へのイントロダクション]
1 日常の場面にある倫理
[安全と管理]
2 管理上の安全と患者の自立
-転倒防止のための拘束,行動制限と患者の動きたい希望
3 病状変化による個室移動に対する患者の拒否
-大部屋での急変を避けたい看護チームのステレオタイプな考え
4 患者の自己管理の限界をどう捉えるか
-認知機能が低下しているが内服抗がん薬を自己管理したい
5 多忙な現場業務と患者の希望
-頻回なマッサージ希望への対応
[患者の意思決定]
6 患者の意向を踏まえた治療の選択
-語られていない患者の思いやニーズへの対応
7 迅速に導入が必要な治療における意思決定
-抗がん薬治療と妊孕性温存治療のどちらを優先するか
[真実を伝える]
8 自分の病気を知るのが怖い患者への支援
-転院時,病気について知らせないで欲しいと希望していた
[代理意思決定]
9 家族の意向と医療者の意見の相違
-家族から痰の除去について中止の申し出を受けた
10 意思決定能力のみきわめと代理意思決定
-せん妄状態にある患者の経口抗がん薬の継続または中止の決定
[療養の場の選択]
11 患者と家族の意見の相違
-療養の場の選択についての意見が患者と家族で異なる
12 退院を進めなければいけないジレンマ
-患者・家族の価値観を共有しながらの療養の場の選択
[チーム内の意見の衝突]
13 医療チームの中での意見の違い
-医師と看護師の提案する方針が異なる
14 受け持ち看護師と看護師チームの思いの相違
-優先される患者の利益について,看護師間での意見が分かれる
索引
Column
身体拘束の対象となる行為
せん妄
がん患者のうつ症状について
若年がん患者の妊孕性温存
癌性髄膜炎