Frontiers in Dry Eye 15巻1号 (2020年4月)

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堀 ご存知のとおり,ヒアルロン酸ナトリウム(Na)のスイッチOTC(over the counter)化が進められており,今後,ドライアイ診療は変化していく可能性があります。そこで本日は,日本におけるドライアイ診療の変遷と未来のドライアイ診療について,ご討議いただきたいと思います。

総説

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ドライアイは,涙液および眼表面の複合的な多因子性の慢性疾患である。ドライアイ診療はこの約20年で大幅に進歩し,診断,治療方針が概ね確立されたといえる1)。近年は,ジクアス®とムコスタ®点眼剤を中心に,涙液不安定性の原因を層別に診断した上で,それらの異常原因に適した治療を選択する(tear film oriented therapy:TFOT)という局所治療方針がとられるようになっている。一方で,ドライアイの疾患背景は複雑であり,リスクファクターにはVDT作業負荷やコンタクトレンズ装用,加齢などが挙げられ,高齢化社会の進行やスマートフォンの普及に代表されるような全世代でのIT化をはじめとした生活習慣の変化などにより罹患率が上昇していると推察されている。ドライアイはlifestyle diseaseの一つであるという概念のエビデンスが蓄積されてきているなか,TFOTに基づく点眼治療に加えて,ドライアイを一括して介入する全身的なアプローチも有効な治療や予防対策の選択肢として期待されている。

連載 涙が出る料理

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ついに来た。学術的でない原稿依頼が。さて,どうしよう。だいたい涙が出る料理って,美味しくて感動したか,激辛で涙が出たか,くらいだろう。昔(1978年),キャンディーズは,ラストシングル“微笑がえし”という曲(名曲)で,「お〜かしくって涙が出そう♪」と歌ったが,可笑しい料理なんてないな,などと考えながら,今,これを書き始めている。だいたい年をとると食の好みは変わり,いい酒と肴が一番,と体が変化した。うーん,そうだ,食べログの点数3.58,口コミ数123件のあのお店にしよう(2020年3月24日現在)。ちなみに,食べログの点数3.50以上は全体のTOP 約3%に入る店で,人気のお店,満足できる確率の高いお店とされている。そのお店は,丸ノ内線茗荷谷駅から歩いてすぐの「焼肉 和(かずと読む)」である。キャンディーズが解散した翌年の1979年創業のこの老舗焼肉店は,複数のテレビでも紹介されており,「出没!アド街ック天国」で茗荷谷特集をしたときは,芸能人からオリンピック選手まで,連日多くのファンがやって来る焼肉店と紹介されていた。

TOPICS

第73回日本臨床眼科学会 吉川 大和
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・「ドライアイ患者における角膜知覚神経の形態学的変化」内野裕一,水野未稀,内野美樹・「マイボーム腺機能不全とドライアイを鑑別する特異的症状の探索:平戸度島スタディ」有田玲子,溝口尚則,福岡詩麻

ドライアイリサーチアワード受賞論文解説

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ドライアイリサーチアワードも,今回で15回を迎え,すっかり眼科のなかでも定着してきた。そうした背景もあり,近年の応募論文のレベルは高く,論文の評価も困難となっている。そうしたなか,今年もアワード受賞者3名を決定したが,そのなかでもベストアワードに選ばれたのが,北海道大学の田川義晃先生である。田川先生は,ドライアイでも治療に苦渋するshort BUT タイプのドライアイにおいて,その自覚症状の強さは眼表面の痛覚過敏が関連しているのではないかという,とても興味深い知見を明らかにした。Short BUTタイプのドライアイは,涙液量の低下はないのに涙液層破壊時間は短く,それでいて角結膜上皮障害はわずかか,あるいはないのに自覚症状は強いという特徴をもつ疾患群である。こうした患者は特に若年層に多く,VDTへの関連性が指摘されているものである。

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涙液層破壊時間(BUT)短縮型ドライアイは,BUTが5秒以下と短縮しているものの,涙液量は減少せず,角結膜上皮障害もあまり強くない,他覚的にはドライアイの軽症例と考えられることが多いが,軽度の他覚所見からは説明困難な非常に強い自覚症状を感じていることが知られている。1995年に戸田らがOphthalmology誌に発表して以来1),眼科臨床においてはよく知られている疾患名だがいまだに他覚所見と自覚症状の乖離の原因は十分に解明されているとは言い難い。そして実臨床では,眼科医から患者に治療すべき他覚所見がないので大丈夫であると告げても一向に満足せず,なにをどう治療するべきなのか外来で困惑する疾患の一つであるといえる。このBUT短縮型ドライアイの自覚症状と他覚所見の乖離の原因として,角膜知覚神経の感受性に何らかの変化が生じているのではないかと考えたので,Cochet-bonnet角膜知覚計(図1)を用いて検討を行った。「KEY WORDS」BUT短縮型ドライアイ,角膜知覚神経,Cochet-bonnet角膜知覚計,角膜痛覚過敏

連載 ドライアイ外来最前線

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北海道は,夏季は日本国内のなかでも唯一梅雨がなく過ごしやすい気候ですが,同時にそれは湿度が低い環境であることを意味しています。冬季には氷点下を下回る寒冷な気候を特徴としており,一日中暖房をつけるライフスタイルのなかで室内環境が非常に乾燥することになります。このように北海道はドライアイ患者にとっては,日本国内で一番厳しい環境であることが想定されますが,2019年までは道内の公的医療機関のなかでドライアイ外来を開設している施設はなく,我々北海道大学眼科が道内初のドライアイ外来を掲げることとなりましたのでご報告させていただきます。上述した気候という因子は症状のない方は気になることがないのでわかりにくいのですが,ドライアイの方にとっては重要なもので,転勤あるいは転出先にも大きく影響します。実際に私のドライアイ外来では,春先の転勤・転居のシーズンを迎えると札幌在住の方は「なんとか今よりも暖かい函館に転勤になりたい,これより北ではもう眼が乾燥し過ぎて生活できないです」と転勤先の気候を大変憂慮されています。私は沖縄の眼科医の先生には知り合いがいないのですが,沖縄と北海道ではドライアイ事情がどれくらい違うものなのか一度お話を伺ってみたいものです。

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私のドライアイ診療とのかかわりは,慶應大学の専修医として東京歯科大学市川総合病院に赴任し,坪田一男先生(慶應義塾大学眼科教授)とお会いしたことに始まります。当時,ドライアイは乾性角結膜炎や涙液減少症などと呼ばれ,診断法や治療も限られていましたが,米国留学を機にドライアイ診療とその研究に傾倒されるようになった坪田先生のもと,私も研究テーマの一つとして取り組むようになりました。その後,疲れ目を訴える患者さんにドライアイの合併が多いこと,つまりドライアイでは「眼が乾く」だけでなく「目が疲れる」症状が多いことが明らかとなり,1993年に報告いたしました1)。そして,疲れ目を訴えるドライアイの患者さんのなかには,涙液分泌は正常であるのに,眼表面での涙液安定性の悪いタイプがあることに気付き,BUT短縮タイプとして1995年に報告しています2)。このように,疲れ目を訴える患者さんで眼表面に傷がなく,涙液分泌も問題ないのにBUTが短い一群があるという知見は,その後ドライアイの概念を変えていき,現在の定義と診断基準に繋がっていったと思います。ドライアイのメカニズムがわかってくるにつれ,治療方法の開発も徐々に進み,1995年に精製ヒアルロン酸ナトリウムが登場,その後は水分,ムチンなど眼表面の不足成分を補う視点での薬剤,マイボーム腺と油層に対する治療や米国の炎症を重視する治療も加わって,選択肢はずいぶん増えていきました。

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ドライアイ研究会会員数全国に709名(2020年2月現在)

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目次

奥付

基本情報

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Frontiers in Dry Eye
15巻1号 (2020年4月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:1881-4263 メディカルレビュー社

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