連載 ドライアイ外来最前線
北海道大学病院眼科ドライアイ外来
田川 義晃
1
1北海道大学病院眼科 医員
pp.30-32
発行日 2020年4月30日
Published Date 2020/4/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0042.15.01_0030-0032
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北海道は,夏季は日本国内のなかでも唯一梅雨がなく過ごしやすい気候ですが,同時にそれは湿度が低い環境であることを意味しています。冬季には氷点下を下回る寒冷な気候を特徴としており,一日中暖房をつけるライフスタイルのなかで室内環境が非常に乾燥することになります。このように北海道はドライアイ患者にとっては,日本国内で一番厳しい環境であることが想定されますが,2019年までは道内の公的医療機関のなかでドライアイ外来を開設している施設はなく,我々北海道大学眼科が道内初のドライアイ外来を掲げることとなりましたのでご報告させていただきます。上述した気候という因子は症状のない方は気になることがないのでわかりにくいのですが,ドライアイの方にとっては重要なもので,転勤あるいは転出先にも大きく影響します。実際に私のドライアイ外来では,春先の転勤・転居のシーズンを迎えると札幌在住の方は「なんとか今よりも暖かい函館に転勤になりたい,これより北ではもう眼が乾燥し過ぎて生活できないです」と転勤先の気候を大変憂慮されています。私は沖縄の眼科医の先生には知り合いがいないのですが,沖縄と北海道ではドライアイ事情がどれくらい違うものなのか一度お話を伺ってみたいものです。
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