助産雑誌 64巻9号 (2010年9月発行)

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特集　女性の健康と暴力

扉 64巻9号 , 2010年9月 , pp.767

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DVを含めた女性への暴力が問題視されるようになって何年も経過しています。女性のライフサイクルを通しての支援者である助産師が，DV被害者が心身を脅かされている状況について知らないではすまされない時代になってきました。暴力がもたらす女性の健康問題について理解を深め，適切な支援とは何かを考えます。

女性への暴力について考える佐々木　靜子 64巻9号 , 2010年9月 , pp.768-773

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暴力による女性の健康被害は人間らしい生活を破壊し，家族機能を失わせ，次世代の子どもにも成長上の影響をもたらします。

性暴力被害に医療対応が必要な理由とともに，医療者がその支援にかかわることで得るものについて解説していただきました。

性暴力被害者と一緒に呼吸を小林　美佳 64巻9号 , 2010年9月 , pp.774-777

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性犯罪の被害者にとって一番大切なのは，被害直後の支援と危機介入です。

被害当事者でもある筆者が立ち上げたホームページ「みかつき」に寄せられる当事者の声を紹介していただきます。

法医学からみたDV 髙瀬　泉 64巻9号 , 2010年9月 , pp.778-782

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法医学は，虐待や性犯罪，DVなどの被害者に対して医学的な視点から指導，助言を行なうという役割を担っています。

法医学的な所見の取り方・考え方および鑑別について，事例を挙げて解説していただきます。

病院におけるDVの取り組み東田　有加 , 今田　恭子 , 長岡　淳子 , 田中　春美 64巻9号 , 2010年9月 , pp.783-787

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助産師が女性にかかわる専門職であるならば，DV被害者を支援することは職務です。

2002年からDV支援に取り組んでいる大阪大学医学部附属病院の実際を，事例とともに紹介していただきます。

DV被害を受けた女性に助産師としてできること三隅　順子 64巻9号 , 2010年9月 , pp.788-793

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NPO法人女性の安全と健康のための支援教育センターではDV被害者を支援する専門職であるSANEの研修講座プログラムを運営しています。

DVについて看護職として知っておきたいことや，支援の方法について紹介していただきます。

当事者が望む包括的，長期的支援とは西山　さつき 64巻9号 , 2010年9月 , pp.794-797

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NPO法人レジリエンスは，DVなど，さまざまな原因による心の傷つきを抱えた女性に向けて，心の健康を取り戻し，維持していくためのサポートをしています。

傷ついた当事者が望む長期的な支援について，紹介していただきます。

性暴力救援センター・大阪（SACHICO）の取り組み加藤　治子 64巻9号 , 2010年9月 , pp.798-801

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2010年4月，性暴力の被害に遭った女性を，産婦人科医やボランティアらが24時間態勢でサポートする専門機関が阪南中央病院内に誕生しました。

女性の安全と医療支援ネットSACHICOの概要を紹介していただきます。

妊産婦の健康に及ぼす暴力被害の影響加納　尚美 64巻9号 , 2010年9月 , pp.802-808

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女性への暴力であるDVは妊娠を契機に始まることが多く，なかには妊娠への身体的暴力による流産や早産の事例も報告されています。

妊産婦が受ける暴力被害の実態や，被害者への対応について紹介していただきます。

クローズアップ

―起業としての助産院開業―さくら助産院が「埼玉いちおし『起』業プラン優秀賞」を受賞しました岡田　美香 64巻9号 , 2010年9月 , pp.810-815

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　助産院の開業を起業という観点で捉え，地域に密着した活動を続けているさくら助産院。

その活動が評価され，「埼玉いちおし『起』業プラン優秀賞」を受賞しました。

　受賞までの経緯と，助産院での活動についてご紹介いただきます。

レポート

APOR de Gasquet研修会を企画して―ド・ガスケアプローチによる骨盤底機能不全症の予防をめざした取り組み村上　睦子 64巻9号 , 2010年9月 , pp.816-820

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研修のねらい

　2008年10月に，筆者はフランスから助産師シャラン山内由紀子さんの来訪を受けた。フランスでは1980年頃から出産後の腹圧性尿失禁や性器脱の症状を防ぐ「骨盤リハビリ」が普及し，開業助産師らによる産後の母体ケアが手厚く行なわれているという。

　その手法が「ド・ガスケアプローチ」で，「呼吸と姿勢と会陰部の保護・強化法の同調」という理論に基づいた訓練法である。すでにフランスでは理学療法を中心とした骨盤底群の再訓練法が確立され，産後の訓練は国レベルで推奨されており，現在，ヨーロッパの20か所以上の医療施設で導入されているという。シャラン山内さんもド・ガスケアプローチを実体験したことにより骨盤底の保護と再強化の重要性を再認識し，ぜひ日本で研修会を実施したいと筆者に申し入れがあった。

連載　助産院のごはん・9

マリーンバースハウス―自家製無農薬野菜をふんだんに使う安心・安全なごちそう畑中　郁名子 64巻9号 , 2010年9月 , pp.826-829

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常時30種以上の植物が育つ畑を開業以来耕し続ける

　大根，なす，里芋，ごぼう，ねぎ，うど，とうもろこし，かぼちゃ，長芋など，マリーンバースハウスの畑には常時30種以上もの野菜や果物，ハーブが育っている。駐車場の隣には，山ももやあけび，栗の木など実のなる木が植えられており，少し外れたところには，しいたけの原木も備える。数年前までは烏骨鶏を飼い，朝食に産みたての卵を添えていた。その理由を，院長の海内さんはこう語る。

　「食べることも，料理をすることも，もともと大好きなんです。助産院を建てた時，玄関先に木を植えようと思ったのですが，迷わず実のなる木を選びました。欲張りなんでしょうね。畑も土壌ができるまでに数年かかり，最近ようやく軌道に乗ってきたところです」

連載　あるあるいるいる，そのケース妊婦健診とらのまき・4

35歳，専業主婦 3人目年子の妊娠【後編】山本　詩子 , 髙橋　景子 64巻9号 , 2010年9月 , pp.830-833

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　これまでの妊娠経過：妊娠13週当院初診。尿漏れ，お腹の張り，第2子授乳中だったため卒乳相談を受ける(前号参照)。

連載　リプロヘルス・温故知新・9

フランスに学ぶ①　フランスでの妊娠，出産と子育て支援齋藤　益子 , 宮本　郁子 , 森谷　美智子 , 木村　好秀 , 林田　綾子 64巻9号 , 2010年9月 , pp.834-839

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2009年8月16～24日，9日間のリプロダクティブヘルス研修で学んだ，ドイツ・フランスのリプロヘルスの現状や助産師教育制度，母子支援制度を紹介します。第9回は，フランスにおける妊娠，出産と子育て支援について解説します。

連載　助産師のための新生児ケア集中講座・6

新生児の皮膚ケア【前編】米山　万里枝 , 永田　裕子 , 西山　実里 , 一島　栄美子 , 瀬戸　智美 64巻9号 , 2010年9月 , pp.840-847

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はじめに

　新生児期の皮膚症状は，皮膚の構造や機能が未成熟であるために起こる一過性のものや，疾患に伴うものがある。前者は治療の必要はなく経過観察のみを要することが多いが，後者は検査を要するなど，すみやかな対処が求められる場合も少なくない。しかしながら皮膚症状出現時など，特に初期においては，症状を一見しただけではすぐに判別をつけられない場合がある。

　また，退院後の受診や電話相談では，新生児期の皮膚症状を主訴としたものが多くを占める。感染症など疾患を伴う発疹が疑われるものから，皮膚トラブルへの対処策に関してなどその内容も幅広く，母親への的確なアドバイスを提供するためには助産師・看護師自身も異常と正常を見極める判断力を培うことが必要である。

　現代ではインターネットなどを利用し，新生児期における皮膚症状やケアに関する情報を簡単に得ることができるが，子どもを持つ親にとっては，豊富な情報によるプラス面と，逆に混乱しうるマイナス面が考えられる。母親の産科入院中に，家族も母親同様，児の皮膚の状態をみながら，必要なケアについて助産師や看護師と話し合い，有益なアドバイスを得ることができれば，退院後の生活にも役立つと考える。

　そこで，今号から2回にわたり，新生児の皮膚ケアについて取り上げる。今号では，新生児の皮膚についての基礎知識，出生直後から産科退院までの期間にみられやすい一過性皮膚症状と疾患を伴う皮膚症状の違いについて考える。

連載　バルナバクリニック発ぶつぶつ通信・78

差し伸べることができなかった手冨田　江里子 64巻9号 , 2010年9月 , pp.852-853

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母子の何かが気にかかる

　産婦のエバは，誰にも気を許さずにお産を終えた。唯一人間らしい会話があったのは，連れてきていた4歳の娘，イダイとだけだった。イダイは不思議な子どもで，夜中の間ずっと多弁に語り，クリニックのおもちゃで遊び続けていた。髪の毛は長い間くしを通していないようでくっつき，身体全体からごみのようなにおいを放っている。

　この母子は何か変だ。何かかかわりが必要なはずと感じた私はまずイダイと仲良くなり，次に会った時に水浴びをする約束をして別れた。

連載　りれー随筆・309

私の母校活用術槻木　直子 64巻9号 , 2010年9月 , pp.854-855

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　今回りれー随筆のバトンを渡してくれたのは，私の卒業した看護大学の先輩です。今回はそんなご縁もあって，大学のこと，特に卒業してからの大学の活用術をご紹介します。

基本情報

助産雑誌
64巻9号
(2010年9月発行)

電子版ISSN：1882-1421 印刷版ISSN：1347-8168 医学書院

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投稿規定

助産雑誌 64巻9号 (2010年9月発行)

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レポート

連載 助産院のごはん・9

連載 あるある いるいる，そのケース 妊婦健診とらのまき・4

連載 リプロヘルス・温故知新・9

連載 助産師のための新生児ケア集中講座・6

連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・78

連載 りれー随筆・309