Medical Technology 49巻4号 (2021年4月発行)

選択した文献の文献概要を表示する書誌情報をダウンロードする

すべて選択

特集　検査工程ごとに見る　血液検査のピットフォール

1.検査前　1)採血坂本　大典 49巻4号 , 2021年4月 , pp.336-338

PDF(198KB)

有料閲覧

文献概要を表示

採血は検体検査の入口であり、患者の状態を調べるためには欠かせないものです。入口に潜む落とし穴に落ちてしまっては、機器での測定や精度管理に問題がなくとも、正しいデータを得ることはできません。まずは採血の落とし穴を把握し、正しいデータを得るための次のステップにバトンを渡しましょう。

1.検査前　2)検体確認菊地　美幸 49巻4号 , 2021年4月 , pp.339-343

PDF(527KB)

有料閲覧

文献概要を表示

検査前の検体確認は、正確な検査データ報告のための第一関門です。検体不良に気づかず検査を進めてしまうと、結果報告時間の遅延や機器トラブルの原因、さらには誤った結果報告による医療過誤へもつながるおそれがあります。そのため、検査前に検体の性状や状態を私達、臨床検査技師の目でしっかり確認することが重要です。

1.検査前　3)検体処理(血栓止血検査) 井上　まどか 49巻4号 , 2021年4月 , pp.344-346

PDF(216KB)

有料閲覧

文献概要を表示

血栓止血検査の多くは検体採取の段階から矛盾のなかで始まっているため、検体の質が検査へ直結します。だからこそ、turn-around timeなどのしがらみはありますが、正しく検体を処理することが正しい検査結果を得るためには重要です。

2.検査中　1)血球計数検査井本　清美 49巻4号 , 2021年4月 , pp.347-352

PDF(564KB)

有料閲覧

文献概要を表示

自動血球計数装置の性能や機能と精度は向上し、短時間で多くの情報が付加された測定結果が得られます。装置の測定原理を理解したうえで、得られた情報をうまく活用して妥当性の高い結果を報告するためには知識と技術が必要です。本稿では、白血球数と血小板数の再現性が悪かった事例と赤血球恒数に異常がみられた事例を提示します。

2.検査中　2)血栓止血検査福田　幸広 49巻4号 , 2021年4月 , pp.353-357

PDF(282KB)

有料閲覧

文献概要を表示

血栓止血検査は、さまざまな要因によって検査値が偽値を呈すことがあります。この偽値を見逃すことなく発見し対策を講じることは、患者予後を左右する要因ともなりえます。本稿では血栓止血検査のピットフォールとして、日常業務において遭遇する検査値が偽値を呈す事例について紹介するとともに、対処法について解説します。

2.検査中　3)形態検査内藤　麻美 49巻4号 , 2021年4月 , pp.358-362

PDF(439KB)

有料閲覧

文献概要を表示

血液細胞形態検査(白血球目視検査)は自動血球分析装置使用時の目視検査基準に合致した検体や、オーダー医からの要請があった場合に実施します。検査は特殊な機械がなくとも実施が可能なため、導入のハードルが低いわりには血液細胞形態検査の有用性は非常に高く、導入している施設は多いと思います。しかしながら、検査結果は検査担当者の技量に左右されることが多く、注意が必要です。血液細胞形態検査の技量は、ポイントをおさえ検査を実施することで飛躍的に向上します。

2.検査中　4)フローサイトメトリー検査田中　雄三 49巻4号 , 2021年4月 , pp.363-368

PDF(1378KB)

有料閲覧

文献概要を表示

フローサイトメトリーは造血器腫瘍検索やリンパ球サブセットなど、必要不可欠な検査となっています。しかし、操作ステップの煩雑さや結果解釈の複雑さなど、実際に操作していないと馴染みにくい検査でもあります。本稿では、抗κ鎖、抗λ鎖の反応とgatingのピットフォールを紹介し、日常業務に活かしていただきたいと思います。

3.検査後　1)結果報告時谷田部　陽子 , 片桐　尚子 , 荒井　智子 49巻4号 , 2021年4月 , pp.369-371

PDF(209KB)

有料閲覧

文献概要を表示

検査室より検査結果にコメントを付与して報告したが臨床医に検査室の意図が伝わらない、パニック値を連絡したが異常値と認識しないなど、検査室で考えていることが臨床医に理解されていないケースがあります。臨床医への伝達には、結果を正しく解釈してもらうように努めることが大切です。

3.検査後　2)追加測定依頼時甲田　祐樹 49巻4号 , 2021年4月 , pp.372-376

PDF(949KB)

有料閲覧

文献概要を表示

追加測定依頼時のピットフォールには、検体の取り違えや検体の保存安定性などがあります。そうしたピットフォールに落ちないためにも、検査室としてきちんとルールを確立･文書化し、スタッフ1人1人がそのルールを遵守して業務を行うことが重要です。

特別企画

臨床検査技師のための新型コロナウイルスQ&A 佐藤　智明 49巻4号 , 2021年4月 , pp.324-327

PDF(560KB)

有料閲覧

話題 NEWS&TOPICS

『赤血球型検査(赤血球系検査)ガイドライン』改訂3版のポイント国分寺　晃 49巻4号 , 2021年4月 , pp.328-330

PDF(244KB)

有料閲覧

花粉飛散量の計測と花粉特異的IgE抗体検査福嶋　陽子 49巻4号 , 2021年4月 , pp.331-334

PDF(282KB)

有料閲覧

文献概要を表示

当研究所の2地点(水戸本社:水戸市、下館研究所:筑西市)におけるスギ花粉の飛散状況と四つの花粉(スギ･ヒノキ･ブタクサ･カモガヤ)特異的IgE抗体の陽性率を調査した。花粉計測と同期間(2016～2020年の2月1日～4月30日)に、特異的IgE抗体検査の依頼があった血清検体8133件を対象とした。5年間のうち、2018年は積雪の影響でピークが遅れたが、総計測数も最大計測数も一番多い結果であった。もっとも計測数が少なかったのは2020年であった。計測数は、下館に比べ水戸のほうが多かったものの、その動向は近似していた。次に、検討期間における各アレルゲンの月別陽性率の結果では、スギ陽性率が一番高く5年間の平均64.7%、ヒノキは平均53.5%、ブタクサは平均12.7%、カモガヤは平均18.1%であった。本格的なスギ花粉飛散は、例年2月下旬から4月上旬であるが、3月中に飛散のピークを迎え4月末に終息する傾向がみられた。スギ･ヒノキの陽性率は花粉飛散量が多かった年および花粉最盛期である3月と4月に高くなる傾向がみられた。

対比で読み解く　超音波画像と病理組織像

肝転移の所見を丁寧に取る(前編) 市原　真 , 若杉　聡 , 長谷川　聡洋 , 金久保　雄樹 49巻4号 , 2021年4月 , pp.378-384

PDF(1967KB)

有料閲覧

基礎講座

消化管寄生原虫類の検査法と同定の要点山本　徳栄 49巻4号 , 2021年4月 , pp.386-392

PDF(1366KB)

有料閲覧

文献概要を表示

･糞便内の消化管寄生原虫類、寄生虫卵および幼虫を検出するためには、直接薄層塗抹法とホルマリン･エーテル法(ホルマリン･酢酸エチル法)を併用する。･下痢便では、クリプトスポリジウム属の検出法として最適なショ糖遠心浮遊法を追加し、その存在が疑われる場合は抗酸染色を併用する。･アメーバ類や鞭毛虫類の同定ではコーン染色を行い、ランブル鞭毛虫と腟トリコモナスの栄養型はギムザ染色を行う。

シリーズ　骨･軟部腫瘍細胞診　軟部腫瘍(1) 古田　則行 49巻4号 , 2021年4月 , pp.394-398

PDF(1162KB)

有料閲覧

文献概要を表示

骨･軟部腫瘍には細胞診ならではの特徴的な所見を有する腫瘍があり、その細胞像を把握することで臨床、病理、遺伝子診断に貢献でき、より実践的に活用できる。本シリーズではWHO Classification of Tumours(5th Edition)Soft Tissue and Bone Tumours 2020(以下、WHO2020)を基準とし、基礎的な腫瘍の細胞像および実践的な内容を中心に解説する(全3回)。

わかる!伝わる!　エコーレポートの書き方

甲状腺エコー衞藤　美佐子 49巻4号 , 2021年4月 , pp.400-407

PDF(1819KB)

有料閲覧

文献概要を表示

甲状腺エコーに求められることは、甲状腺病変の存在診断と結節性病変の質的診断を行うことです。本稿では甲状腺エコーの特徴と結節性病変の観察ポイントをまとめます。エコーレポートの書き方については、症例に沿って報告書の書き方を解説し、わかりやすく伝わるレポート作成のコツとテクニックについて述べたいと思います。

FOCUS　いま注目のトピックを掘り下げる

CHIP(Clonal Hematopoiesis of Indeterminate Potential)とは?　造血器腫瘍の萌芽であると同時に心血管系疾患の新たなリスク要因通山　薫 49巻4号 , 2021年4月 , pp.408-411

PDF(388KB)

有料閲覧

文献概要を表示

＜Essence＞･CHIPは造血系の一部のみが体細胞遺伝子変異による異常クローンからなり、血球減少や異形成細胞は認められないが、すでに骨髄系腫瘍の萌芽と考えられる。･高齢者では1割またはそれ以上の頻度で見つかるが、実際に骨髄系腫瘍に進行するのは年間1%未満とされる。･むしろ多くの症例は、冠動脈疾患や血栓症を併発しやすいことがわかってきた。その発症には、異常クローン由来の白血球や血小板が関与する可能性がある。･CHIPは異常造血の分子病態的概念であり、骨髄系腫瘍の前段階として重視すべきであると同時に、心血管系疾患の新たなリスク要因としても注目されつつある。

20年ぶりの見直しとなった臨床検査技師の養成カリキュラム北村　聖 49巻4号 , 2021年4月 , pp.412-416

PDF(376KB)

有料閲覧

文献概要を表示

＜Essence＞･臨床検査技師養成カリキュラムが20年ぶりに見直された。社会の変化、国民のニーズに応えるための改正で、患者中心のチーム医療に参画できる臨床検査技師の養成を目指している。･総単位数は95単位以上から102単位以上へと引き上げられた。一方で、科目は統合により14科目となった。･臨地実習の改革がもっとも重要な見直しで、5単位増えて12単位となり、診療参加型実習を目指している。すなわち、チーム診療のメンバーとして実診療に参加することを前提に、実習前の評価や、経験すべき検査などが定められている。

臨床検査Q&A

尿定性検査を行った後、試験紙を浸けた尿で沈渣を見ても問題ないでしょうか? 小野　篤史 49巻4号 , 2021年4月 , pp.418-419

PDF(253KB)

有料閲覧

基本情報

Medical Technology
49巻4号
(2021年4月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：0389-1887 医歯薬出版

お気に入り登録(雑誌)
お気に入り登録(号)
最新号をみる

バックナンバー ( 閲覧可 )

文献閲覧数ランキング(
3月24日～3月30日
)

第1位 1．超音波検査のパニック所見の現状松尾汎 Medical Technology 53巻 3号 pp. 214-219 (2025年3月15日) 医歯薬出版
第2位 3．このパニック所見，どう対応しますか？　1）頭頸部六尾哲 Medical Technology 53巻 3号 pp. 225-231 (2025年3月15日) 医歯薬出版
第3位 Q　腹部エコーに関して，肝区域の簡単な覚え方があれば教えて下さい．田村悦哉 Medical Technology 53巻 1号 pp. 108-109 (2025年1月15日) 医歯薬出版
第4位まずはここから!!　血液ガス分析のお作法薮圭介 Medical Technology 49巻 2号 pp. 110-115 (2021年2月15日) 医歯薬出版
第5位いざ実践!!血液ガスの活かし方　救急医療における血液ガスの活かし方大石泰男 Medical Technology 49巻 2号 pp. 143-149 (2021年2月15日) 医歯薬出版
第6位 3．このパニック所見，どう対応しますか？　4）血管（腹部血管，分枝，末梢血管）藤崎純 Medical Technology 53巻 3号 pp. 248-253 (2025年3月15日) 医歯薬出版
第7位総論　てんかんの病態と診断･治療飯田幸治 Medical Technology 51巻 9号 pp. 882-886 (2023年9月15日) 医歯薬出版
第8位 3．β-Streptococcus 長野則之,長野由紀子 Medical Technology 53巻 3号 pp. 273-277 (2025年3月15日) 医歯薬出版
第9位抗てんかん薬(抗発作薬)の基礎知識夏目淳 Medical Technology 51巻 9号 pp. 919-922 (2023年9月15日) 医歯薬出版
第10位 5類に移行した新型コロナウイルス感染症（COVID-19）にどう対処するか？宮良高維 Medical Technology 53巻 3号 pp. 287-292 (2025年3月15日) 医歯薬出版