FOCUS いま注目のトピックを掘り下げる
CHIP(Clonal Hematopoiesis of Indeterminate Potential)とは? 造血器腫瘍の萌芽であると同時に心血管系疾患の新たなリスク要因
通山 薫
1
1川崎医科大学 検査診断学
キーワード:
骨髄異形成症候群
,
危険因子
,
心臓血管疾患
,
造血器腫瘍
,
クローン性造血
,
病態生理
Keyword:
Cardiovascular Diseases
,
Myelodysplastic Syndromes
,
Clonal Hematopoiesis
,
Risk Factors
,
Hematologic Neoplasms
pp.408-411
発行日 2021年4月15日
Published Date 2021/4/15
DOI https://doi.org/10.32118/J01436.2021179039
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
<Essence>・CHIPは造血系の一部のみが体細胞遺伝子変異による異常クローンからなり、血球減少や異形成細胞は認められないが、すでに骨髄系腫瘍の萌芽と考えられる。・高齢者では1割またはそれ以上の頻度で見つかるが、実際に骨髄系腫瘍に進行するのは年間1%未満とされる。・むしろ多くの症例は、冠動脈疾患や血栓症を併発しやすいことがわかってきた。その発症には、異常クローン由来の白血球や血小板が関与する可能性がある。・CHIPは異常造血の分子病態的概念であり、骨髄系腫瘍の前段階として重視すべきであると同時に、心血管系疾患の新たなリスク要因としても注目されつつある。
Copyright© 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All rights reserved.