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花粉飛散量の計測と花粉特異的IgE抗体検査
福嶋 陽子
1
1セントラル医学検査研究所 下館研究所検査部検査室
キーワード:
IgE
,
花粉
,
環境モニタリング
,
血清学的検査
,
花粉症
,
スギ属
,
下館市
,
水戸市
Keyword:
Rhinitis, Allergic, Seasonal
,
Environmental Monitoring
,
Pollen
,
Immunoglobulin E
,
Serologic Tests
,
Cryptomeria
pp.331-334
発行日 2021年4月15日
Published Date 2021/4/15
DOI https://doi.org/10.32118/J01436.2021234525
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当研究所の2地点(水戸本社:水戸市、下館研究所:筑西市)におけるスギ花粉の飛散状況と四つの花粉(スギ・ヒノキ・ブタクサ・カモガヤ)特異的IgE抗体の陽性率を調査した。花粉計測と同期間(2016~2020年の2月1日~4月30日)に、特異的IgE抗体検査の依頼があった血清検体8133件を対象とした。5年間のうち、2018年は積雪の影響でピークが遅れたが、総計測数も最大計測数も一番多い結果であった。もっとも計測数が少なかったのは2020年であった。計測数は、下館に比べ水戸のほうが多かったものの、その動向は近似していた。次に、検討期間における各アレルゲンの月別陽性率の結果では、スギ陽性率が一番高く5年間の平均64.7%、ヒノキは平均53.5%、ブタクサは平均12.7%、カモガヤは平均18.1%であった。本格的なスギ花粉飛散は、例年2月下旬から4月上旬であるが、3月中に飛散のピークを迎え4月末に終息する傾向がみられた。スギ・ヒノキの陽性率は花粉飛散量が多かった年および花粉最盛期である3月と4月に高くなる傾向がみられた。
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