看護学雑誌 73巻9号 (2009年9月)

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 青森県に、農薬をいっさい使わないでリンゴを育てている農家がある。農薬を使わないで野菜や果物をつくる農家は数多くあるが、農薬を使うことを前提にたび重なる品種改良を続けてきた「リンゴ」という果物を、自然農法で育てるのは不可能といわれていた。その不可能を可能にしたその人が木村秋則さんである。

 木村さんのつくったリンゴは何か月たっても、しぼんで小さくなっていくだけで腐らない。木村さんのリンゴを使ったスープが売り物の都内のレストランは、半年先まで予約がいっぱいだ……。

 噂が噂を呼び、2006年12月にNHKの人気番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』に木村さんが登場すると、さらに話題になった。木村さんの満面の笑顔が表紙になった『奇跡のリンゴ』(幻冬舎)は数十万部を超えるベストセラーになり、全国から講演依頼が引きも切らないという。

 北海道の襟裳岬に近い浦河の地でも、この番組は大きな反響を呼んでいた。放映の翌日、趣味の農業の話をすると止まらなくなる精神科医・川村敏明さんと、「べてるの家」を当事者と一緒につくったソーシャルワーカー・向谷地生良さんは興奮気味にこう語り合った。「べてるとおんなじだ!!」と。

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 病棟カンファレンスや勉強会の資料づくりに、インターネットを使って情報収集している人は多いと思います。しかし検索エンジンを使っても、自分のほしい情報にたどりつけず、さまざまなサイトを開いているうちに当初の目的を忘れてしまった、ということはありませんか?適切なキーワードを選んで情報を絞りこむコツ、無料の医療情報サイトの活用など、ほんの少しの知識を身につけるだけで、あなたの情報収集能力は飛躍的に高まります。

Focus ケアに役立つ話を読み解く

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 多くの看護管理者の悩みの種となる勤務表作成作業。しかし、これを工夫することによって、看護師の労働環境はもちろん、病院経営をも大きく改善させた病院があります。小倉第一病院の、20種類もの勤務シフトをもつユニークな勤務表づくりの特徴と実際を紹介します。

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 今、急性期病院と地域医療がいかに連携するかが問われています。地域連携の手段として、バックベッドシステムを一からつくりあげた筆者が、その取り組みを振り返ります。

連載 日本の医療は女が変える・3【最終回】

渡辺幸子さん 橋口 佐紀子
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 医師不足、地域医療崩壊など、何かと暗いニュースが多い医療界にあって、パワフルに、そして前向きに活躍する女性たちがいる。最終回は病院コンサルティングを手がける渡辺幸子さんに聞いた(写真は渡辺氏と愛犬のメアリー・ポンポン)。

連載 誰も教えてくれない File No.5

看護師のビジネススキル・2

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 看護師の業務はますます増えていく傾向にあります。また、多職種間の連携における中心的な役割も求められています。すべての事柄に全力投球をしたいのはやまやまですが、いつの間にかパンク寸前になっていることも多いはず。

 この連載では、普段は意識しないような視点から看護師の働き方を見直してみます。

連載 見逃さない!予測できる!高齢者のリスクアセスメントと急変対応・6

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症例 Aさん(73歳、女性)

7時30分に「便秘と下腹部痛」を主訴に救急外来を受診しました。

便秘症で自宅にて浣腸したが全く排便がないため病院に来たと言います。研修医I先生が診察しましたが、腹部に筋性防御や反跳痛など腹膜刺激症状は認めません。あなたはI先生から「お腹は硬くないので心配ないと思います。便秘症のようですからもう一度浣腸をしてあげてください。自宅ではうまくできなかった可能性もありますし……」と指示を受けました。

 

課題1 高齢者の便秘での注意点にはどのようなものがありますか?

課題2 高齢者が腹痛をきたす危険な疾患にはどのようなものがありますか?

連載 こんな方法もあるかもしれない─介護発、武術経由の身体論・21

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 「ギャッチアップしたベッドを元に戻すと、身体が下のほうにずれてしまう。どうやって戻すといいか」という質問をよく受けます。状況を聞いてみると共通するのは、被介護者が股関節・膝関節の拘縮が強かったり、全身が弛緩状態であったりという、自発的な動きを引き出しにくい、全介助状態の方であるということです。もちろん、2人以上の人手が確保できるならそれほど問題はありませんが、こうした状況で2人以上の人手を確保できる施設はそれほど多くはないでしょう。

 そこで、前回の「床上での上方移動」(右ページ写真)を応用して、ベッド上での上方移動を1人で行ってみます。床とベッドでは、表面上の形は異なりますが、身体の使い方、動きの質はまるっきり同じです。

連載 混合病棟ナースはみた!・4

瞬時の判断 坂口 寿賀
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 看護師は商売柄、瞬時の判断が要求されがちだ。患者さんの状態変化を見極めるための判断は急を要することも多い。それに伴うプレッシャーやストレスは図りしれず、飲み会や忘年会などで、はじけすぎてしまう要因のひとつになっている。

 しかし、瞬時の判断は患者さんに対してのみにあらず。ナースセンター内でも必要とされているのだ! それでは実際の症例を紹介させていただこう。(注:実際の症例、といいつつ、以下はフィクションである)

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利他的であるという自己満足の底にひそむ途方もない利己的欲望

 

「奪い取るケア」の図式

 「ケア」とは多くの場合、他者に対する援助行為を指す。しかし、看護や福祉の専門家に言わせるとそれだけは不十分であり、ケアとは、ケアを受ける者の自己実現を助け、さらにケアを与える者を成長させる、相互互恵的な行為なのだという。

 いずれにしても共通しているのは、ケアには人と人との関わりがあり、そしてその関わりは、一方通行であれ、相互的であれ、他者に何かを「与える」ことによって成り立つということである。しかし、臨床心理士としてアディクションの家族援助を長年続けてきた著者は本書で、「与える」というより「奪い取る」ケアの図式を提示する。

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編集後記 鳥居 , 吉田
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●「辞める人には、気持ちよく辞めてもらえるようにしています」と語るのは、ある急性期病院の看護部長さん。「人員不足だから、もちろん辞められたら困る。特に中堅に抜けられるのはきついです。でも、本人にはいろんな事情がある。それを汲んであげたいなと思うから」とのこと。興味深いのは、そうやってしこりを残さず辞めたスタッフのなかには、後に同じ病院に復職する方が少なからずいるということ。この看護部長さんの病院では今年、なんと13人もの復職者があったそうです。戻った理由を聞くと、「親の介護で辞めたが、看取ることができたので」「他の病院に行って、元の職場のよさがわかった」など、本当にさまざま。一般企業ではまず耳にしない話ですが、看護師さんの場合、どうなんでしょうか。今はどこの病院でも慢性的な人員不足と言われていますが、「気持ちよく辞めてもらうことが人材確保につながる」というのは、ちょっといい話です。【鳥居】

基本情報

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看護学雑誌
73巻9号 (2009年9月)
電子版ISSN:1345-2746 印刷版ISSN:0386-9830 医学書院

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