連載 こんな方法もあるかもしれない─介護発、武術経由の身体論・21
ベッド上で上方に移動させる
岡田 慎一郎
Shinichirou Okada
pp.76-80
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101510
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「ギャッチアップしたベッドを元に戻すと、身体が下のほうにずれてしまう。どうやって戻すといいか」という質問をよく受けます。状況を聞いてみると共通するのは、被介護者が股関節・膝関節の拘縮が強かったり、全身が弛緩状態であったりという、自発的な動きを引き出しにくい、全介助状態の方であるということです。もちろん、2人以上の人手が確保できるならそれほど問題はありませんが、こうした状況で2人以上の人手を確保できる施設はそれほど多くはないでしょう。
そこで、前回の「床上での上方移動」(右ページ写真)を応用して、ベッド上での上方移動を1人で行ってみます。床とベッドでは、表面上の形は異なりますが、身体の使い方、動きの質はまるっきり同じです。
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