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特集 虐待新論――「なかったことにしない」ための援助論
社会的入院とその彼方――精神科病院内虐待
小林 茂
1
1札幌学院大学
pp.67-71
発行日 2026年1月10日
Published Date 2026/1/10
DOI https://doi.org/10.69291/cp26010067
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I ネグレクトされた社会的入院
「社会的入院」の定義を調べると「入院医療を続ける必要性がないにもかかわらず,社会福祉制度の不備や社会の受入態勢が整わないために,退院できずに入院が継続している状態をいう」(竹島,2016)とある。福祉や看護などの事典を調べると「社会的入院」についての項目があり,それぞれ似た言及がなされているが,手元にある20冊ほどの臨床心理学・心理学の事(辞)典類には「社会的入院」という項目自体がない。ただひとつ,日本心理臨床学会編『心理臨床学事典』の「福祉の人材」項目の精神保健福祉士に関する説明で一語ふれられているだけである(岩田,2011)。「社会的ひきこもり」といったテーマに比べ,「社会的入院」は臨床心理学の主要なテーマとはなっていないようである。ここに,社会的入院という問題に対する臨床心理学のスタンスが現れているといえないだろうか。

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