Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「若者たち」―三十年の時空の彼方から現代を批評する
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.703
発行日 1998年7月10日
Published Date 1998/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108715
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1960年代末,一世を風靡した「若者たち」(監督/森川時久)が帰ってくる.朝日新聞などで大きくとり上げられていたのでご存じの方も多いと思うが,6月から9月にかけて全国各地で「若者たち」三部作が一挙上映される.若い人達には,テレビの人気番組「ひとつ屋根の下」の元ネタだと言えば通りがいい.この際,見較べることもいいことだ.
見どころをあげればきりがない.一作目のプレタイトルからしていい.つまり,タイトルが出る前に両親を亡くした佐藤家五人きょうだいのようすが手際よくスケッチされるのだが,家事を預かる妹オリエ(佐藤オリエ)がワーッと泣き出したところでかの有名な主題歌のイントロがかぶさり,すぐに,写真を背景にしたタイトルになる.気持ちよく作品世界に入っていける見事な構成だ.
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