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特集 生活習慣病とポリジェニックスコア――ゲノムが拓く個別化医療の未来
循環器疾患とポリジェニックスコア
-――遺伝的リスクに応じた管理
Cardiovascular disease and polygenic scores
――Risk-stratified management
伊藤 薫
1,2
Kaoru ITO
1,2
1千葉大学大学院医学研究院先端データ医科学
2理化学研究所生命医科学研究センター循環器ゲノミクス・インフォマティクス研究チーム
キーワード:
遺伝的リスク
,
ポリジェニックスコア(PGS)
,
精密医療
,
循環器疾患
Keyword:
遺伝的リスク
,
ポリジェニックスコア(PGS)
,
精密医療
,
循環器疾患
pp.137-142
発行日 2026年7月11日
Published Date 2026/7/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu298020137
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- 参考文献 Reference
循環器領域におけるポリジェニックスコア(PGS)は,冠動脈疾患(CAD)や心房細動(AF),心不全(HF)などの多因子疾患の遺伝的リスクを定量化する画期的なツールである.PGSが提示する生涯不変のリスクは決して宿命論的なものではなく,生活習慣の改善や早期治療によって修飾可能(actionable)な点が最大の特徴である.また,特発性心筋症などの希少疾患においても,不完全浸透や表現型の多様性を説明する鍵となる.日本での社会実装に向けては,日本人特有のデータに基づくスコア構築の努力の継続が不可欠であり,さらに医療経済性を考慮した標的型スクリーニングの導入,電子カルテ(EHR)へのシステム統合に加え,二次的所見の取り扱いや遺伝的差別の防止,遺伝カウンセリング体制の拡充といった倫理的・法的・社会的課題(ELSI)の克服も急務である.PGSは,発症後の治療から未然に防ぐ先制的な精密医療(precision medicine)へのパラダイムシフトを牽引する中核技術となることが期待される.

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