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特集 周産期診療コツと落とし穴
Ⅰ.母体・胎児編
(7)妊娠中・後期〔胎児〕
51.胎児発育不全(FGR)の娩出時期を見逃すな
長﨑 澄人
1
Sumito Nagasaki
1
1東邦大学医療センター大森病院産婦人科
キーワード:
胎児SGA
,
FGR
,
早産
Keyword:
胎児SGA
,
FGR
,
早産
pp.174-176
発行日 2026年10月10日
Published Date 2026/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002866
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はじめに
胎児small for gestational age(SGA)やfetal growth restriction(FGR)と診断した後に問われるのは,①いつまで妊娠を継続できるか,②いつ娩出に踏み切るべきか,である。妊娠継続は基本的に胎児の成熟につながるため早産合併症を減らす一方,胎盤機能不全が進めば慢性的な低酸素や急激な胎児機能不全,胎児死亡のリスクが高まる。すなわち,FGR管理のポイントは「妊娠週数(妊娠期間の延長)」と「胎児機能不全・胎児死亡リスク」のバランスであり,その見極めは容易ではない。この難しいバランス判断を少しでも客観化し,管理のばらつきを減らすうえで,FIGOが提示した妊娠週数と病態に応じた観察項目・娩出時期の考え方は,1つの有用な枠組みとして活用できる1)。この枠組みを適切に利用するには,前項で述べた新しい「胎児SGA」「FGR」の診断基準を用いて,胎盤機能不全が疑われるFGRの症例を適切に拾い上げることが有用である。「胎児死亡となれば訴えられるのではないか」という不安や,胎児死亡への恐怖,上司の指示といった要因から早産での娩出を選択し,「本当にそれでよかったのか」と自問した経験をもつ者も少なくないだろう。医療者側の精神的負担の軽減という観点からも,本稿を参照してほしい。

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