Japanese
English
特集 難聴の疑問に答える
【難聴疾患とその治療】
APD,LiDとはどのような病気か? その治療法は?
阪本 浩一
1
Hirokazu Sakamoto
1
1大阪公立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉病態学
キーワード:
聞き取り困難症
,
聴覚情報処理障害
,
雑音下聴取
Keyword:
聞き取り困難症
,
聴覚情報処理障害
,
雑音下聴取
pp.1154-1156
発行日 2026年9月1日
Published Date 2026/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000002325
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はじめに
耳鼻咽喉科外来で,「聴力は正常と言われたが,騒がしい場所では言葉が入らない」「複数人の会話についていけない」と訴える患者に出会うことがある。このような状態は聴覚情報処理障害(auditory processing disorder:APD),または聞き取り困難症(listening difficulties:LiD)として扱われる。APDは中枢聴覚処理の障害を想定して発展した概念であるが,近年は聴覚だけでなく注意,ワーキングメモリ,言語,発達特性,心理状態,環境要因が重なって生じる聞き取り困難として理解する方向へ広がっている1〜4)。LiD/APD診療の入り口は特殊検査ではなく,標準聴力検査と実生活の困難とのずれを丁寧に拾い上げることである。

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