Japanese
English
解説
IgMの構造
Primary structure of immunoglobulin M
篠田 友孝
1
Tomotaka Shinoda
1
1国立遺伝学研究所人類遺伝部
pp.232-238
発行日 1975年6月15日
Published Date 1975/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903058
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- 1ページ目 Look Inside
IgMクラスの免疫グロブリンの存在は早くから知られていたが1)本格的な構造研究の対象となつたのは比較的最近のことである。このクラスの抗体は抗原刺激後早期に産出され,IgGクラスよりはやくピークに達するが,比較的短時日で代謝されてしまう。また,IgMクラスは粒子状抗原により敏感に誘発されること,細胞表層部に存在するレセプタータンパク,とりわけB細胞に属する抗体産生細胞の前駆細胞に存在する免疫グロブリン様タンパク質として興味を集めるようになつた。これらレセプタータンパクの大半は抗原的にはμ鎖系であるから,IgMあるいはIgMsそのものか,または近縁な分子種と考えられる。
IgMはまた細菌凝集性活性,溶血活性あるいは赤血球凝集活性などがIgGクラスの抗体よりは一般に高いことが認められているが,これはIgMが5量体を形成し,多価抗体として存在していることに起因する。多価結合をすることによつて抗原との親和力が増加する結果,ごく低濃度でも他クラスの抗体と比較してより有効な生理活性を示すと考えられる。ワルデンストレムIgMの結合価は10価を示すが,免疫で得られたIgM抗体では時として5価しか示さない場合や,10価のうち強弱2群と考えられるような挙動を示す場合がある。したがつて,IgM抗体の分子内では結合親和性において不均一ではないかとの疑問も生じる。

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