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名古屋大学医学部付属病院高気圧治療室
榊原 欣作
1
,
森 澄
1
,
榊原 文作
1
,
鷲津 卓爾
1
,
高橋 英世
1
,
川村 光生
1
,
小西 信一郎
2
1名古屋大学第一外科
2名大病院高気圧治療室
pp.71-77
発行日 1968年11月1日
Published Date 1968/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203498
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- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
高気圧環境の医学的応用
大気圧よりもたかい気圧環境を医学,とくに医療に応用しようとした試みはすでに1600年代に認められる。しかし進歩した現代科学を基礎とした高気圧環境の臨床医学への導入は,まだ比較的新しく,1950年代になってからのことである。
今日,臨床医学の各領域で注目を集めている高気圧酸素治療(または高圧酸素療法) hyperbaric oxygen therapyはその一分野であって,わが国でも最近次第に普及の傾向をみせている。この高気圧酸素治療の基本的な概念は血液ガスの生理学の基礎の上に立っている。大気圧下に生体がおかれているとき,肺において空気から血液中に摂取された酸素は赤血球中のヘモグロビンと結合して,生体の全組織へ輸送され,この酸素を消費して生体はその生命を維持する。一般に正常人の動脈血には酸素が約20Vol%(血液100mlあたり20ml)含有され,他方静脈血には14Vol%内外の酸素が存在する。生体の酸素消費量はこの動・静脈血酸素較差すなわち6Vol%前後であるとされている。この場合には血液中の酸素はほとんどすべてヘモグロビンと結合したいわゆる結合酸素であって,血液水分中に溶解する溶存酸素は0.3Vol%という微量にすぎない。ところが呼吸気の酸素分圧を上昇させた場合にはこの溶存酸素が著明に増加する。

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