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講座
最近の高気圧酸素治療法
Recent advances in hyperbaric oxygen therapy
榊原 欣作
1
,
高橋 英世
1
,
城所 仁
2
,
川村 光生
2
,
小林 繁夫
2
Kinsaku Sakakibara
1
,
Hideyo Takahashi
1
,
Hitoshi Kidokoro
2
,
Mitsuo Kawamura
2
,
Sigeo Kobayashi
2
1名古屋大学高気圧治療部
2名古屋大学第1外科
1Department of Hyperbaric Medicine, University of Nagoya, School of Medicine
2Department of Surgery, University of Nagoya, School of Medicine
pp.1077-1084
発行日 1975年12月15日
Published Date 1975/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202843
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地球表面に棲息するすべての生物にとって,大気圧だけが生理的な環境圧力である。大気圧よりも高い気圧環境はきわめて異常な環境条件であり,これらの生物はそのような異常環境のなかにおかれたとき,通常では決して示さない異常な反応現象を呈する。高い気圧環境に関する医学的な研究の究極の目標は,これらの異常な反応現象を適確に捕捉して,これを鍵として生物ないし生命現象の未開の分野の解明に資することにあるであろう。
しかし一方,異常な環境条件としての高い気圧に対して生体が呈する異常反応現象のなかには,治療医学のなかに導入して臨床医療に応用できるものも少なくはない。そしてこれらを通覧してみると,現在では,主として二つの方向があるように思われる。その一つは潜水病,潜函病などのいわゆる減圧症に対する再圧療法であり,いま一つが高気圧酸素治療法である。
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