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精神病院に対するWHO顧問の意見
鈴木 淳
1
1病院管理研究所下総療養所
pp.53-58
発行日 1968年11月1日
Published Date 1968/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203493
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はじめに
わが国の精神病床数は近来とくに増加し,かつての努力目標‘人口1万対精神病床20’に近づいている。また一昨年精神衛生法をあらため,精神衛生センターも1969年まで46に達しようとしている。今後に残された問題としては公衆衛生活動との統合,地域医療資源との協同化である。
日本の政府はこの現況を見直し,評価し,助言してくれる専門家の派遣を,とくに英国の精神科医Dr. Maxwell Jonesの来日を世界保健機構(WHO)にたのんでいた。Jonesのかわりに,Dr. David DlarkがWHOのConsultantとして咋年11月来朝した。彼は1920年生まれで,Cambridge大学を卒業し,Edinburgh病院(院長はHenderson)とMaudsley病院に勤め,精神科専門医となり,1953年にはFulbourn精神病院長に就任し,Cambrige大学の講師を兼任している。1963年には米国Stanfordの行動科学研究所員となり,"Administrative Therapy"(拙訳:精神科医の役割,医学書院,1968.)を著わしている。彼は3か月間東京にとどまり,その間に9県を旅行し,精神病院15,精薄施設7,精神衛生センター5,大学5を訪ね,帰英後にWHOに報告書を提出した。
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