Japanese
English
今月の主題 リンパ組織の基礎と臨床
リンパ球の基礎
T cellとB cell
矢田 純一
1
1東邦大小児科
pp.1194-1197
発行日 1976年9月10日
Published Date 1976/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206725
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- 1ページ目 Look Inside
T cell,B cellの定義
T cell,B cellという言葉が使われたのは,次のような歴史的な実験の結果からきている.すなわち,胸腺リンパ球のみに抗原を与えても抗体は作られてこないし,骨髄リンパ球のみでも同様である.しかしこの両者を共存させると優れた抗体産生がえられた.したがって,抗体産生においては胸腺由来リンパ球(T cell)と骨髄由来リンパ球(B cell)との間に協同作用が存在する,しかも抗体を産生するのは骨髄由来のリンパ球である,というものである.
このようないきさつからすると,T cell,B cellは,その由来から分けられたリンパ球に対する名称である.しかしながら,その機能を考えてみると,B cellが実際に抗体を産生し,T cellはその補助をしているという関係にある.ところで胸腺リンパ球は,骨髄由来の未熟なリンパ球が胸腺に入って分化したものであることが知られている.それだけでなく,リンパ球は胸腺リンパ球であれなんであれ,すべて骨髄由来であるから,骨髄由来というだけでB cellと呼ぶのは実情にそぐわないことになる.先に述べた実験の意義を考えて,"骨髄由来で抗体を産生する系列のリンパ球"をB cellと呼ぶのが正しいと考える.リでは骨髄由来の未熟なリンパ球がFabricius嚢に入って抗体産生系リンパ球に分化するので,Fabricius嚢由来のリンパ球がB cellということになる.

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