今月の主題 SLE—成因から治療まで
SLEの診断
特殊検査—T cell,B cell
原 まさ子
1
,
安倍 達
1
1慶大・内科
pp.1932-1933
発行日 1975年12月10日
Published Date 1975/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206334
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1965年,Bruce Glikが友人に分与したBrusectomized chickenが,抗原刺激に対し,液性抗体を産生しなかったことに端を発し,免疫系には胸腺とファブリチウス嚢によってつかさどられる細胞性免疫と液性免疫の2つが存在することが明らかになった.さらにこの2種の免疫応答は,それぞれ胸腺由来のT細胞(Thymus dependant,Thymus derived lymphocyte)と骨髄,またはファブリチウス嚢由来のB細胞(Bone marrow derived,Bursa derived lymphocyte)が分担していることもわかってきた.近年,この2種のリンパ球は免疫学的反応性の違いと病理組織学的検討に加えて,リンパ球の膜抗原,レセプターなどの差によって,それぞれ同定可能となり,各種免疫異常状態におけるこれらリンパ球の動態が問題となっている.SLEにおいてもその免疫異常をTおよびB細胞の量的質的異常の面から解明しようとする試みがなされている.そこでSLEの末梢血中のT,B細胞の分布,動態,その臨床との関連につき,今までの知見および教室の成績を概説
したい.
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