今月の主題 リンパ系疾患へのアプローチ
免疫不全症候群
B-cell Deficiency
早川 浩
1
Hiroshi Hayakawa
1
1東京大学医学部付属病院分院・小児科
pp.1792-1794
発行日 1984年10月10日
Published Date 1984/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219258
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原発性免疫不全症候群のうち,B cellの欠陥を主因とし,免疫グロブリンや抗体の産生不全をきたす疾患は,WHO委員会によれば1),表1に示すごとくである.また,いわゆるcommon variable immunodeficiencyの多くは,やはりB cellの欠陥を主因とするものと考えられ,表2のごとく分類されている.
一般に,B cellの発生と成熟については,図のような模式図が考えられており,B cell不全症は,このいずれかの過程における分化成熟の異常に基づいて発生するとされる1).B cellの成熟には,T cellによる影響が大きい場合が多いので,B cell不全症とされる疾患においても,T cellの主として調節能に問題がある場合がしばしばであることは,表からも明らかであろう.
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