今月の主題 リンパ系疾患へのアプローチ
リンパ球の解剖
B-cellからPlasma cellへ
近藤 直実
1
Naomi Kondo
1
1岐阜大学医学部・小児科
pp.1730-1732
発行日 1984年10月10日
Published Date 1984/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219241
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免疫応答機構の中で,B細胞(B cell)は成熟(増殖と分化)して抗体である免疫グロブリン(Ig)を産生分泌する形質細胞(plasma cell)となる.この過程には多くの場合,T細胞やマクロファージなどからの働きかけが必要で,それは細胞が直接に,あるいは液性因子(たとえばT細胞因子──Bcell growth factor,BCGFやB cell differentiation factor,BCDF)を介して行われている.またこの間,B細胞自身の中では種々な生化学的変化が起こっており,Igの産生についてはIg遺伝子による調節やクラススイッチが行われている.このようなB細胞の成熟過程,すなわち免疫応答機構のどこかで障害が生ずると,その結果としてIgは産生分泌されないか,または著しく低下し,すなわち免疫不全症が発症する.
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