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甲状腺刺激ホルモン(thyroid-stimulating hormone, thyrotropin:TSH)は,下垂体前葉TSH産生細胞で合成・分泌される糖蛋白ホルモンで,α,β2つのサブユニットからなる.αサブユニットは,ゴナドトロピン〔黄体化ホルモン(luteinizing hormone:LH)および卵胞刺激ホルモン(follicle-stimulating hormone:FSH)〕や胎盤性ゴナドトロピン(human chorionic gonadotropin:hCG)のαサブユニットと共通の構造である.TSHの分泌調節は,血中遊離甲状腺ホルモン〔遊離サイロキシン(free thyroxine:FT4)および遊離トリヨードサイロニン(free triiodothyronine:FT3)〕との間の負の反回調節(negative feedback regulation),視床下部ホルモンの1つであるTSH分泌刺激ホルモン(thyrotropin-releasing hormone:TRH)およびその他の中枢神経からの調節因子などによりなされる.
TSHは臨床検査ではイムノアッセイで測定される.現在の主流は異なる2つのエピトープをもつ抗体の一方を固相抗体,他方を標識抗体とし,試料中の抗原(TSH)をはさむような複合体を形成させ,標識物質の信号(化学発光,蛍光,放射能など)を検知するシステムとした非競合サンドイッチ法である.この方法での測定感度は,実際の診療を考慮した測定間再現性を表す変動係数(coefficient of variation:CV)が20%を示す最低濃度とする実効感度で,0.01~0.02μU/ml以下であり,健常人の最低濃度と甲状腺機能亢進症の示す濃度は明確に区別できる.一方,すべてのイムノアッセイに共通する問題として,標準物質や抗体の性状に依存する測定方法間での測定値の不一致があり,今なお完全には解消されていない.

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