特集 電解質と微量元素の臨床検査ガイド
各論
3 ホルモン・生理活性物質
12)甲状腺刺激ホルモン(TSH)
西川 光重
1
,
稲田 満夫
1
Mitsushige NISHIKAWA
1
,
Mitsuo INADA
1
1関西医科大学第二内科
キーワード:
TSH
,
Basedow病
,
甲状腺中毒症
,
甲状腺機能低下症
,
非甲状腺疾患
Keyword:
TSH
,
Basedow病
,
甲状腺中毒症
,
甲状腺機能低下症
,
非甲状腺疾患
pp.1537-1542
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900369
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はじめに
甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone,thyrotropin;TSH)は下垂体前葉で合成・分泌され,甲状腺での甲状腺ホルモンの生合成,貯蔵および分泌などを調節するホルモンである.TSHは甲状腺の機能の維持に不可欠なホルモンであり,TSHの欠乏は甲状腺機能低下症を引き起こす.
一方,甲状腺ホルモンである3,5,3',5'-テトラヨードサイロニン(3,5,3',5'-tetraiodothyronine,別名サイロキシン〔thyroxine;T4〕)および3,5,3'-トリヨードサイロニン(3,5,3'-triiodothyronine;T3)は下垂体でのTSH産生を抑制する(このような,標的臓器からの分泌ホルモンによる逆向き調節をネガティブフィードバック〔negative feedback〕という).また,TSHは視床下部から分泌されるTSH放出ホルモン(thyrotropin-releasing hormone;TRH)によりその分泌が刺激される.
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