Japanese
English
発言あり 人工臓器
国家的な体制づくりがキーポイント,他
阿久津 哲造
1
1国立循環器病センター
pp.289-291
発行日 1989年5月15日
Published Date 1989/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207924
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- 1ページ目 Look Inside
人工臓器は,従来の薬剤や外科的修復・切除あるいは放射線による方法では治療し得ない生体臓器機能の一部,または全部を一時的にあるいは永久に代行するものである.
これまでに30種類以上の人工臓器が開発され,多くのものが既に臨床使用されている.人工腎臓,人工肝臓,人工肺,人工心臓,人工膵臓,人工血管,人工関節,ペースメーカー,人工血液などがその代表的なものとして挙げられる.これらの人工臓器の歴史は新しく,今世紀に入ってからである.したがってその機能という点では,生体臓器のそれに比較すればまだまだ足元にも及ばない.例えば人工腎臓といっても,血液透析によって尿の成分を除去するだけでホルモンは全く関与せず,人工肝臓に至っては,人工肝臓という名前に値せず,生体肝臓機能のほんの一部を一時的に代行するにすぎない.上記のような代謝には関係しない人工血管や人工弁は現在では,10年以上の寿命がある.
自らエネルギーを持つ機能的人工臓器の最初のものは人工心臓である.これはKusserowによる補助人工心臓の研究開始,Kolff-Akutsuによる全置換型人工心臓の研究開始といずれも1957年で,今年で32年の歴史を持ち,現在では前者では世界で600例以上の臨床例があり,本邦においても150例を越す症例が報告されている.

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