連載 感染症フェローのシンガポール見聞録・6
移民国家の結核事情
馳 亮太
1
1亀田総合病院感染症科
pp.943
発行日 2012年6月10日
Published Date 2012/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106009
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今回は結核の話です.Tan Tock Seng Hospitalのメインの建物から少し離れた場所に,歴史建造物のようなおしゃれな建物があります.この建物は,tuberculosis control unitと呼ばれる,結核患者の診療と接触者検診を行う専門の部署です.事前に依頼して,結核診療歴20年以上の大ベテランWang教授の外来を見学させてもらいました.
シンガポールの結核罹患率は,10万人あたり約40人で,日本の罹患率の約2倍です.清潔な国のイメージがあるだけに,意外に結核患者が多いことに驚きましたが,人口密度が高いことや移民による持ちこみ症例が多数存在することがその理由のようです.
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