紫煙考
無煙国家づくりをめざして
福田 勝洋
1
Katsuhiro FUKUDA
1
1北海道大学医学部・公衆衛生
pp.1312-1313
発行日 1980年8月10日
Published Date 1980/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216655
- 有料閲覧
- 文献概要
スウェーデンは国をあげて喫煙抑制に努力しているが,無煙国家といっても完全に喫煙を禁止する禁煙国家を当初からめざしているわけではなく,1970年のスウェーデン国民1人当たり年間紙巻きたばこ消費量の1,620本を1920年代当時のそれの約300本にすること,他の種類のたばこ消費量を増加させないこと,そして社会全体が反喫煙的となり,たばこが再び公衆衛生上の大きな問題とならないような国とすることを目標として具体的な対策を始めた.
この間の事情は,スウェーデンのNTS:Nationalföreningen för upplysning om tobakens skadeverkningar(喫煙の有害作用の広報活動推進協会)で1973年に出したA National Smoking Control Programmeという小冊子1)に詳しく述べられているので,以下それに基づいてスウェーデンの活動を概観してみよう.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.