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はじめに—開発の背景
プロフェッション(専門職)は,評価,計画,実践を自律して行えることを条件とする.その意味で,評価はプロフェッションの基本であり,適切な評価手段を選定できるだけではなく,自ら開発することで評価の標準化に取り組むことも含まれるであろう.
日本理学療法士協会(以下,協会)に,評価委員会が設置されたのは1978年であった1).理学療法における「評価学」の確立を目的として,① 関節可動域(range of motion:ROM)テスト,② 徒手筋力検査(manual muscle testing:MMT),③ 日常生活動作の検査,に焦点が当てられた.その成果として,1981年には上肢2),1983年には下肢・脊柱3)について試案が発表された.しかし,残念ながら日本リハビリテーション医学会と日本整形外科学会による関節可動域測定法の1995年改訂版に,協会の試案内容は十分に反映されなかった.加えて,MMTについては結局のところ検討がなされなかった.
時を経て,2012年,協会内組織であった日本理学療法士学会に理学療法基本評価検討委員会が設置され,ワーキンググループのもとMMTとROMテストに関して具体的な検討が始まった.2014年にはパブリックコメントを募集し,寄せられた意見をもとに2016年に報告書を作成した.その後,日本理学療法士学会が日本理学療法学会連合(以下,学会連合)として法人化されたことを機に,「日本理学療法学会連合版徒手筋力検査法」(以下,学会連合版MMT)を2024年度に出版した4).また,ROMテストについては,多様な方法を集約した「学会連合版関節可動域評価指針」としてまとめ,学会連合webサイトで公開したのである5).
12年の時間を要したものの,理学療法士が多用する基本的評価方法について,自ら開発して公表できたことは大きな前進であった.理学療法士の主たる業務は運動行動(運動,動作,行為)に介入して,対象者の生活の質を高めることにある.そこで最も基本となる関節可動域と筋力の評価を標準化できたことは,今後,レジストリ研究などを推進するうえでも意義あるものと考えている.

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