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はじめに
身体障害者手帳は障害福祉サービスなどを受けるためのパスポートとして位置づけられており,われわれリハビリテーション専門職から積極的に取得や利用を勧めることも多いでしょう.しかし,診断書を審査する立場からみると,記載にあたっての基本的事項が守られていない診断書,なぜ診断書を作成したのか理解できないもの,これは判断に難渋されただろうとご苦労が窺えるものなどが多々あります.
障害者手帳の判定は身体障害者福祉法に基づき行われ,判定にあたっての国の考え方が厚生労働省通知で示されています.最終的な判断は自治体(都道府県,政令指定都市,中核市)に委ねられており,各自治体による解釈や判断の違いが生じやすくなっています.
こうした違いはないほうがよいに決まっており,厚生労働省から発出される認定基準などの見直しや疑義解釈に関する通知によって,修正が図られます.しかし,自治体間の差異を積極的に解消するような取り組みは実施が困難です.診断書を作成する医師は,できる限り差異や誤解が生じないように,わかりやすく判断しやすい診断書を記載することが患者のためにできることだと思います.
本稿では実践講座の第1回として,肢体不自由を中心とした身体障害者診断書作成における基本的な事項の解説を行います.次回からは数回にわたって,判断に困るような事例に関する作成のポイントをQ & A形式でご解説いただきます.
なお,本稿は厚生労働省ウェブサイトの「身体障害者福祉法第15条に定める指定医師向け医師の診断書作成マニュアルについて(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_56429.html)」に掲載されている「身体障害者診断書の書き方:総論・肢体不自由(作成:公益社団法人日本リハビリテーション医学会障がい者福祉委員会,監修:厚生労働省,国立障害者リハビリテーションセンター)」に準拠していますので,そちらのスライドを閲覧しながらお読みいただくとさらに理解しやすいと思います(参照スライドのページ数を入れました).

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