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はじめに
閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea:OSA)は,睡眠中に上気道が繰り返し閉塞し,無呼吸や低呼吸を生じる疾患である.わが国では潜在患者が約900万人と推定されているが,実際に治療を受けている患者は約70万人(8%程度)にとどまっており,多くの患者が未診断・未治療のまま放置されている現状がある.OSAは日中の過度な眠気や倦怠感といった症状のみならず,高血圧,心房細動,脳卒中,糖尿病などの生活習慣病のリスク因子として知られており,適切な診断と治療が求められる疾患である.
OSA治療の第一選択は持続陽圧呼吸療法(continuous positive airway pressure:CPAP)である.CPAPは睡眠中に鼻マスクを介して持続的に陽圧を送気することで上気道の開存を維持する治療法であり,その有効性は多くの研究で実証されている.しかしながら,CPAPの長期アドヒアランスは約50%程度にとどまるとされており,マスクの不快感,鼻閉,口漏れ,皮膚トラブル,騒音などを理由にCPAP治療を継続できない患者が少なくない.このようなCPAP不耐例に対する代替治療の開発は,睡眠医療における重要な課題となっている.
舌下神経刺激療法(hypoglossal nerve stimulation:HNS)は,CPAP不耐のOSA患者に対する新たな治療選択肢として近年注目を集めている.本稿では,終夜睡眠ポリグラフ検査(polysomnography:PSG)に携わる臨床検査技師の方々に向けて,HNSの原理と機器構成,適応基準,臨床的エビデンス,そしてPSGにおける評価のポイントについて,ADHEREレジストリなど,最新の国際的エビデンスを交えながら解説する.

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