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Current Opinion
閉塞型睡眠時無呼吸時の上気道閉塞のメカニズム―最新の知見
Current Understanding of Pathogenesis of Upper Airway Obstruction in Patients with Obstructive Sleep Apnea
磯野 史朗
1
Shiroh Isono
1
1千葉大学大学院医学研究院麻酔学
1Department of Anesthesiology, Graduate School of Medicine, Chiba University
pp.195-201
発行日 2011年2月15日
Published Date 2011/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101639
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最近の上気道閉塞研究の概説
最近30年間の精力的な研究により,閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)における上気道閉塞の病態は解明された部分も多いが,依然として不明な点も多い.「咽頭気道の開通性は咽頭の解剖学的特性とその周囲の咽頭筋群の活動の相互作用で決定される」という考え方は,OSAの病態を理解する基本となる1).したがって,咽頭気道開通性が障害されOSAが発生する原因となり得るのは,咽頭の解剖学的特性の異常(解剖学的仮説),咽頭筋群の活動異常(神経性仮説),あるいはこの両者である.1997年Isonoらが,咽頭の神経性調節を完全に除外した状態で年齢・性別・BMI(Body Mass Index)が一致した健常成人に比較して,OSA患者の咽頭気道は最大断面積が小さく,より高い閉塞性を有することを報告し,解剖学的仮説が証明されるに至った1).したがって,その後の研究は,「なぜ,OSA患者の咽頭は構造的に閉塞しやすいのか?」,「OSA患者の咽頭筋群の活動は異常なのか?」に大別することができる.
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