特集 悲嘆の精神療法
悲嘆カウンセリングおよび悲嘆セラピー
山本 力
pp.324-330
発行日 2026年6月5日
Published Date 2026/6/5
DOI https://doi.org/10.69291/pt52030324
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この特集を読んでいる方の多くは,いわゆる悲嘆臨床に携わっているか,この領域に関心を持っているか,であろう。そんな読者にとって死別ケア(bereavement care)に関する理解と援助技法が必要になるのはどんな場合だろう。それはおおむね以下の三つの場合であろう。
一つ目は,大切な人を亡くしたつらさを主訴として来談する場合で,現状のつらさと喪失との関連が明確で,外傷的な悲嘆も少なくないので見極めと慎重な対応が大切である。
二つ目は,喪失と悲嘆以外の主訴で援助を求めてこられて,よく話を伺っている内に喪失の葛藤が顕在化してくる場合で,その時点で見立て直しが必要となる。
三つ目は,何らかの主訴でカウンセリング等を継続している過程で,大切な人がたまたま亡くなる場合である。通常,緊急の死別ケアを優先して行うことになろう。
いずれの場合も,死別ケアに関する理解と実施が必要となる。本章では,Worden JWの著した『悲嘆カウンセリング・改訂版』の指針に沿って,日常臨床に役立つように論述したい。

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