特集 産婦人科診療に必要な遺伝カウンセリングの基本知識と実際
各論
6.NIPTの遺伝カウンセリング:事前カウンセリング
鈴森 伸宏
1
N. Suzumori
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科産科婦人科
pp.183-187
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002054
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NIPT(non-invasive prenatal testing)は,妊婦の母体血で,胎児21・18・13トリソミーなどについて,非確定的に出生前遺伝学的検査をすることである。検査の対象は,高年齢の妊婦,染色体異常症に罹患した児を妊娠した既往を有する場合,胎児超音波・母体血清マーカー検査で染色体異常の可能性のある場合などである。NIPTは,検査結果が陽性(ハイリスク)のときは,羊水などによる確定検査が必要であり,妊娠継続の選択肢につながる可能性があり,検査前の遺伝カウンセリングが重要である。遺伝カウンセリングでは,検査の精度や限界,偽陽性・偽陰性の可能性について,先天性疾患を出産する可能性,ほかの出生前検査の選択肢についてなど説明が必要である。
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