特集 別居・離婚・再婚家族と子どもへの支援
別居・離婚・再婚をめぐる青年の支援
北島 歩美
1
1日本女子大学 カウンセリングセンター
pp.747-748
発行日 2025年12月5日
Published Date 2025/12/5
DOI https://doi.org/10.69291/pt51060747
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Ⅰ 家族構成の変化
この30年間で家族構成は激変している。1986年と2023年の比較では,三世帯同居は44.8%から7%,平均世帯人数は,3.22人から2.23人,子育て世帯は46.2%から18.3%となっており,核家族化と少子化の傾向は顕著と言えよう。世帯人数の縮小は,緩衝となる人がいないことを意味する。このような状況における夫婦間問題(別居,離婚,再婚)は,子どもたちの実生活に直接的な影響を与えることとなる。
実際,学生相談でも離婚・再婚家庭は珍しくない。学生は「親は離婚です」「父とは会ったことありません」「きょうだいと母が違います」などを意外にもさらりと語る。離婚・再婚家庭の支援にあたっては,それぞれの言動の背景にある複雑に絡み合う忠誠心を読み解く力が支援者には求められる。忠誠心とは,「集団をつなぐ見えない期待の糸であり,集団に所属していることの証」と定義され,家族メンバーの一員であるという感覚を左右する。支援者が忠誠心を読み取れずに「子どもの不適応は,離婚(再婚)のせいだ」など,親の非難にとどまってしまうと支援が進まない。ここでは,改めて離婚・再婚家庭における青年の支援を考えてみる。
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