特集 別居・離婚・再婚家族と子どもへの支援
データからみる離婚・再婚の実情――ステップファミリーの子どもへの視点
菊地 真理
1
,
野沢 慎司
2
1大阪産業大学
2明治学院大学
pp.704-709
発行日 2025年12月5日
Published Date 2025/12/5
DOI https://doi.org/10.69291/pt51060704
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Ⅰ 親の離婚・再婚と子どもたち
離婚・再婚を経験する大人の増加とともに,親の離婚・再婚を受け身的なかたちで経験する子どもたちが毎年大量に生み出されている。親たちだけではなく,その子どもたちの経験にも光を当て,その心理的な苦痛に対応するために社会は何ができるのだろうか。心理臨床の現場から法制度改革の現場まで,日本社会はこの点で他の国々に大きく遅れを取っているのではないか。筆者らはこの疑問を抱きつつ,離婚・再婚と子どもの研究を続けてきた(野沢・菊地,2021)。
本稿では,まず各種統計や意識調査の結果から,離婚・再婚の動向について概観してみたい。その上で,こうした社会的動向の背後にある日本社会の離婚・再婚観を批判的に検討し,臨床の現場への提言につなげたい。

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