投稿論文 資料
コロナ禍の遠隔心理支援における心理臨床家の工夫に関する探索的研究
木村 悠人
1
,
狐塚 貴博
1
,
渡邉 素子
2
,
中西 和紀
3
1名古屋大学教育発達科学研究科
2中部大学学生相談室
3あいせい紀年病院
キーワード:
新型コロナウイルスによる肺炎感染症(COVID-19)
,
パンデミック
,
遠隔心理支援
,
オンラインツール
,
工夫
Keyword:
新型コロナウイルスによる肺炎感染症(COVID-19)
,
パンデミック
,
遠隔心理支援
,
オンラインツール
,
工夫
pp.732-741
発行日 2024年10月5日
Published Date 2024/10/5
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本研究は,コロナ禍の遠隔心理支援において心理臨床家が行った工夫の内容を明らかにすることを目的とした。臨床心理士もしくは公認心理師の資格を有し,さまざまな専門領域で活躍する日本人の心理臨床家を対象として自由記述式の調査を行った。調査参加者308名のうち,55名から得られた自由記述の回答をKJ法を援用した方法で分析した。その結果,【会話における表現の誇張】,【会話内容の正確な共有】,【面接環境の調整】といった3つの大カテゴリと,それらに含まれる14個の小カテゴリが抽出された。カテゴリの内容から,①面接環境を調整することで安定した枠組みの中で面接を行うこと,②会話表現を誇張することでクライエントとの心理的交流を高めること,③会話内容を正確に確認することで誤解がないようにすること,という遠隔心理支援を用いる際に心理臨床家が求められた工夫が明らかになった。この結果は,遠隔心理支援における示唆を提示するものであった。

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