特集 みんなのCBT――社会実装の未来とニュー・フロンティア
仲間と学ぶ――CBTpネットワークによるグループ動画勉強会の実践と意義
濱家 由美子
1
,
葉柴 陽子
2
1東北大学災害科学国際研究所
2目白ジュンクリニック
pp.202-206
発行日 2026年3月10日
Published Date 2026/3/10
DOI https://doi.org/10.69291/cp26020202
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I CBTpネットワークの概要と設立背景
本稿では,CBTpネットワークのメンバーを中心として実施された,動画教材を活用したグループ形式のオンライン勉強会について報告し,その学習構造と意義について検討する。はじめに,本勉強会の母体となったCBTpネットワークの概要と,その設立背景について概観する。
CBTpネットワークは,2011年に石垣琢麿先生,菊池安希子先生,松本和紀先生を発起人として設立された。主にCBTp(Cognitive Behavioral Therapy for psychosis)に関心をもつ医師および心理職によって構成され,統合失調症や精神病圏の症状に対する認知行動療法の普及と発展を目的として活動を開始した。
設立当時,日本においては,うつ病に対する認知行動療法(CBT)が保険点数化され,その有効性が臨床現場で広く認識されつつあった。一方で,統合失調症をはじめとする精神病に対するCBT,すなわちCBTpについては,国内での認知度は十分とは言えず,実践者も限られていた。これに対し,欧米,特に英国では,CBTpの有効性が多数の臨床研究によって示され,早期発見から治療,リカバリー支援に至る包括的な介入モデルが確立されていた。
こうした国際的動向と国内状況のギャップを背景として,CBTpネットワークは,CBTpの国内普及と標準化を目標に掲げ,活動を展開してきた。設立当初の最終的な目標は,CBTpが統合失調症治療として保険点数化されることであり,そのために必要な臨床研究の実施,エビデンスの構築,人材育成,研究会やワークショップの開催を包括的に行うことが企図された。

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