連載 息子介護者の〈言い分〉 僕らが「支援」を必要とするワケしないワケ・第6回
仲間だからこそ話しにくい―「男性介護者のサポートグループ」の逆説
平山 亮
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1東京都健康長寿医療センター研究所
pp.818-821
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102305
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前回は、息子介護者の支援の求め方を左右する要因について、男らしさの心理学をもとに検討した。そのなかで鍵となる存在として示唆されたのは、息子介護者の意見や行動に影響を与える“同輩”たちだった。同じ状況に置かれたほかの男性たちが、どのように支援を受けているかを知ることで、彼らは“男らしく助けられる作法”(あるいは“助けさせる作法”)についてのアイデアを得ることができる、というのが前回の趣旨である。
支援の求め方に関して“同輩”たちが重要な情報源となるなら、当事者によるサポートグループは、息子介護者にとって“男らしく助けられる作法”の学びの場としても大いに役立つのでは、と推測するのは当然だろう。サポートグループには、なかなか出会えない“同輩”たちが一堂に会している。介護を続けるために支援者の手を積極的に借りている参加者も少なくない。何より、男性として親を介護するなかで生じる思いや困難にについて、話が合いそうな仲間を探すことができる。
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