特集 みんなのCBT――社会実装の未来とニュー・フロンティア
反すう焦点化認知行動療法――うつ・不安の「ぐるぐる思考」をケアする
梅垣 佑介
1
1奈良女子大学生活環境科学系
pp.178-181
発行日 2026年3月10日
Published Date 2026/3/10
DOI https://doi.org/10.69291/cp26020178
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I 「『行動帝国』の逆襲」?
Beck et al.(2024)による『うつ病の認知療法[第2版]』において,「『行動帝国』の逆襲」という標題のもと,行動活性化療法(Behavioral Activation : BA)と並んで,反すう焦点化認知行動療法(Rumination-Focused Cognitive Behavioral Therapy : RFCBT)が紹介されている。認知療法の効果をもたらす要因分析によって行動的要素の重要性が示されたことで,BAが体系化されたのは周知の通りであろう。RFCBTはBAの理論枠に依拠している。
RFCBTは,もともと認知療法のトレーニングを受けたWatkins ERによって創始された。「逆襲」という,いささかぎょっとする先ほどの標題とは裏腹に,ネガティブな思考が反復的に繰り返すうつ・不安のクライエントにいかに有効なCBTを提供するか,という臨床の要請に応じて,臨床心理学の知見を結晶化して体系化された支援法である。本稿ではそのRFCBTについて,筆者なりに理解するところを書き記したい。

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