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特集 マインドフルネス療法は他の精神療法と何が違うのか?
認知行動療法 再考—マインドフルネス認知療法が重視している“脱中心化”に焦点を当てて
Reconsideration:Cognitive Behavioral Therapy:Focusing on “decentration” emphasized in mindfulness-based Cognitive Therapy
中野 有美
1
Yumi Nakano
1
1南山大学人文学部心理人間学科
1Department of Psychology and Human Relations, Nanzan University Faculty of Humanities, Nagoya, Japan
キーワード:
Mindfulness
,
Cognitive behavioral therapy
,
Decentration
,
Automatic thought
,
Cognition
,
Cognitive Therapy Scale
Keyword:
Mindfulness
,
Cognitive behavioral therapy
,
Decentration
,
Automatic thought
,
Cognition
,
Cognitive Therapy Scale
pp.637-645
発行日 2019年6月15日
Published Date 2019/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205845
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抄録 マインドフルネス認知療法は,うつ病の再発を抑えることを目標に開発された。脱中心化を体得し,認知のとらわれから解放されることが重要であるとされている。一方で,認知行動療法は,認知と行動の変容が目的であるとされている。しかしながら,脱中心化は,認知行動療法においても大切な概念である。本稿では,認知行動療法によりクライエントに脱中心化を引き起こす過程について詳細にたどることで認知行動療法がクライエントに変化をもたらす仕組みについて再考するとともに,そこから浮かび上がる両治療それぞれの特徴について触れた。さらに,トレーニング中の治療者が行う認知行動療法セッションで,クライエントの脱中心化過程に注目したものが少ない実情を考察した。
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