特集 地域精神保健福祉の歩き方
心理士が就労支援専門員になったワケ―多職種協働を積み重ねてたどりついた,専門性を活かせる場
中岡 恵理
1
1希望ヶ丘ホスピタル
pp.351-355
発行日 2025年5月10日
Published Date 2025/5/10
DOI https://doi.org/10.69291/cp25030351
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I はじめに
私は,地方の単科精神科病院の心理士であり,現在は院内の就労支援チームにおいて専任就労支援専門員(Employment Specialist : ES)を務めている。児童や思春期の心理臨床に関心があって臨床心理士養成大学院に進学し,最も病態水準の高い方々と出会う精神科病院で経験を積むことで,学校や地域で対応できるスキルを身につけられると考え,最初の臨床の場として精神科病院を選んだ。
ところが,勤務を続けるなかで,魅力的なプログラムや仲間たちにたくさん出会い,そのまま同じ職場で働き続けることになった。そして,気づけば今は多職種協働型の就労支援チームで「コアプレイヤー」という立場を担っている。なぜ心理士である私が,ここに至ったのか―これまでの経緯を振り返りながら,心理士が就労支援に取り組む意義について考えてみたい。

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