連載 性のヘルスプロモーション・1【新連載】
[インタビュー]学校保健と地域保健の連携不足は理解不足が原因?
石川 哲也
1
,
岩室 紳也
2
1神戸大学発達科学部
2(社)地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター
pp.325-331
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100074
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『ラブ&ボディBOOK』での出会いとすれ違い
岩室 現代の性を取り巻く状況について,様々な角度から取り組んでおられる方々にお話を伺い,地域保健現場での参考となればと本連載を企画させていただきました.連載のトップバッターとして石川哲也先生に,若者の性に対する支援,とりわけ学校保健と地域保健の連携による性教育の取り組みについてお話を伺えればと思います.
早速ですが,このパンフレット『ラブ&ボディBOOK』は,もしかして先生が一番見たくないものの1つかもしれません(笑).私もこの冊子の共著者の1人ですが,編集過程で1度もお会いできず,お話しもさせていただかなかったことが,今,全国的に起こっている様々な不幸な状況(性教育の際に使う教材や言葉の是非だけが批判され,性教育の目的を達成するためにどのような方法が最適かといった議論にならない状況)につながっているのではと反省しています.このパンフレットの話が舞い込んできたときに,共著者として石川哲也先生のお名前が出ていたので「これは画期的なことだ」と喜んだのを覚えています.石川先生が発行に「OK」を出していただけるのであれば,学校現場は当然のこととして「OK」だろうと考えていました.しかし蓋を開けてみれば全く違う方向に行くどころか,かえって混乱に拍車がかかったように思います.
まずは石川先生が性教育にかかわって来られた経緯を含めて,自己紹介をいただけますか.
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