論評
今こそ、診療報酬に〝アウトカム〟の視点を
鈴木 康裕
1
1国際医療福祉大学学長(元厚生労働省医務技監)
pp.6-8
発行日 2025年6月21日
Published Date 2025/6/21
DOI https://doi.org/10.57527/JUNPO2967003
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制度を支えてきたストラクチャー評価とプロセス評価 米国のA. Donabedianはその1966年の論文1の中で、医療の質を評価する指標としてストラクチャー、プロセス、アウトカムの3つをあげ、これは後にDonabedian modelと呼ばれるものとなった。翻って、我が国における診療報酬の評価は、医薬品、医療材料や機器等の「モノ」の費用に関する部分を除けば、主に、「良い医療」を提供するにふさわしい体制が整っているかを評価すると考えられるストラクチャー(体制)評価の側面から行われている。例えば、一般病棟入院基本料を区分するための基準のひとつとして用いられる看護配置基準は、病床数に対して常時勤務する看護師の数等を規定するものであって、ストラクチャーを評価する指標として用いられている。

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