特集 大腸癌
治療 大腸癌治療のパラダイムシフト
周術期薬物療法の進化
丹下 絵美子
1
,
大隅 寛木
1
1がん研究会有明病院消化器化学療法科
キーワード:
▶大腸癌の周術期治療は,手術+術後補助療法から,腫瘍分子特性に基づく個別化治療へと急速に進化している.
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▶MSS結腸癌では,補助療法のIDEA解析とctDNAを用いたMRDの有無により個別化治療が進んでいくと考えられる.
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▶MSI-H結腸癌では,NICHE試験により術前免疫療法が90%超のMPRを示し,手術先行から免疫療法先行への転換が示唆されている.
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▶MSS直腸癌では,TNTが新たな治療選択肢の一つとなり,cCR例に対する戦略として臓器温存ができる可能性が示唆されている.
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▶MSI-H直腸癌では,dostarlimab単剤による術前治療で全例がcCRを達成し,手術・放射線が省略できる可能性が報告された.
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▶ctDNAや免疫微小環境を活用したリスク層別化と治療シークエンスの最適化が,今後の治療成績向上の鍵となる.
Keyword:
▶大腸癌の周術期治療は,手術+術後補助療法から,腫瘍分子特性に基づく個別化治療へと急速に進化している.
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▶MSS結腸癌では,補助療法のIDEA解析とctDNAを用いたMRDの有無により個別化治療が進んでいくと考えられる.
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▶MSI-H結腸癌では,NICHE試験により術前免疫療法が90%超のMPRを示し,手術先行から免疫療法先行への転換が示唆されている.
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▶MSS直腸癌では,TNTが新たな治療選択肢の一つとなり,cCR例に対する戦略として臓器温存ができる可能性が示唆されている.
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▶MSI-H直腸癌では,dostarlimab単剤による術前治療で全例がcCRを達成し,手術・放射線が省略できる可能性が報告された.
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▶ctDNAや免疫微小環境を活用したリスク層別化と治療シークエンスの最適化が,今後の治療成績向上の鍵となる.
pp.423-426
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.43.03_024
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はじめに
大腸癌は世界的に最も頻度の高い固形癌の一つであり,根治切除可能な局所進行例に対する標準治療は長らく手術と術後補助化学療法であった.しかし近年,分子生物学的知見の深化と免疫チェックポイント阻害薬immune checkpoint inhibitor(ICI)の登場により,周術期薬物療法は新たな転換期を迎えている.特にマイクロサテライト不安定性microsatellite instability(MSI)-H腫瘍における免疫療法の導入およびマイクロサテライト安定性microsatellite stability(MSS)腫瘍に対する集学的治療戦略の洗練が注目される.本稿では,結腸癌と直腸癌を区別しつつ,MSI-HとMSSの分子サブタイプ別に周術期治療について考察する.

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