特集 肺 炎
                        
                        
                
                  
                  
              
              
              
                  
                  
                  
                  
                            
                                    総説 わが国における肺炎診療の現状
                                    
                                    
                                    
                            
                            
                
                
                
                            
                            
                  
                            
                                
                            
                        
                
                
                
                            
                        
                
                
                            
                            
                            
                  
                            
                                    
                                    肺炎ガイドラインの変遷と「成人肺炎診療ガイドライン2024」のエッセンス
                                    
                                    
                            
                            
                        
                
                
                            
                            
                                
                                    
                                        
                                            
                                                岩永 直樹
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            
                                        
                                    
                                
                                
                                    
                                
                            
                        
                
                
                
                  1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科呼吸器内科学分野(第二内科)
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                            キーワード: 
                            
                                
                                    ▶肺炎は日本における主要な死因であり,高齢化の進行によりその罹患率・死亡率の上昇が予測される.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶米国のHCAPは耐性菌リスクを十分に反映せず.抗菌薬の過剰投与が問題視されるようになり,使用されていない.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶「成人肺炎診療ガイドライン2024」では,NHCAPとHAPを分離し,個別の耐性菌リスク評価に基づいた治療方針が示された.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶重症度判定には,わが国ではA-DROPが引き続き推奨される.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶多項目遺伝子検査の活用が推奨され,ウイルス性肺炎の鑑別精度が向上した.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶耐性菌リスク評価に基づいた抗菌薬選択の適正化が重視される.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶CAPのエンピリック治療における広域抗菌薬の投与は必ずしも予後を改善しない.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶中等症以下のNHCAPに対しては,できるだけ狭域抗菌薬を選択する.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶HAPに対して,ルーチンで広域抗菌薬を投与しないことが推奨される.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶誤嚥性肺炎への嫌気性菌カバーの必要性は証明されていない.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶高齢者肺炎の予防として,口腔ケアと肺炎球菌ワクチンが強く推奨されている.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶患者背景のアセスメントが重視されており,アドバンス・ケア・プランニングの積極的な導入が推奨される.
                                
                                
                            
                        
                
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                                    ▶肺炎は日本における主要な死因であり,高齢化の進行によりその罹患率・死亡率の上昇が予測される.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶米国のHCAPは耐性菌リスクを十分に反映せず.抗菌薬の過剰投与が問題視されるようになり,使用されていない.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶「成人肺炎診療ガイドライン2024」では,NHCAPとHAPを分離し,個別の耐性菌リスク評価に基づいた治療方針が示された.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶重症度判定には,わが国ではA-DROPが引き続き推奨される.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶多項目遺伝子検査の活用が推奨され,ウイルス性肺炎の鑑別精度が向上した.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶耐性菌リスク評価に基づいた抗菌薬選択の適正化が重視される.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶CAPのエンピリック治療における広域抗菌薬の投与は必ずしも予後を改善しない.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶中等症以下のNHCAPに対しては,できるだけ狭域抗菌薬を選択する.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶HAPに対して,ルーチンで広域抗菌薬を投与しないことが推奨される.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶誤嚥性肺炎への嫌気性菌カバーの必要性は証明されていない.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶高齢者肺炎の予防として,口腔ケアと肺炎球菌ワクチンが強く推奨されている.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶患者背景のアセスメントが重視されており,アドバンス・ケア・プランニングの積極的な導入が推奨される.
                                
                                
                            
                        
                
                pp.1646-1651
                
                
                
                  発行日 2025年11月1日
                  Published Date 2025/11/1
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.11_007
                
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- 参考文献
わが国および海外の肺炎診療ガイドラインにおける概念的変遷の歴史
肺炎は日本において依然として主要な死因の一つであり,厚生労働省の人口動態統計によると2023年には死因別死亡数の第5位を占めている.また,誤嚥性肺炎は第6位に位置しており,両者を合わせると実質的には第4位の死因となる.2023年の統計によると,肺炎による死亡者の97%以上が65歳以上の高齢者であり,高い肺炎死亡者数の主因が高齢者肺炎であることが明らかであり,超高齢社会を突き進むわが国においては,さらにその罹患率および死亡率は今後も増加すると見込まれている.2000年に日本呼吸器学会より初めて発刊された市中肺炎community-acquired pneumonia(CAP)診療ガイドライン「成人市中肺炎診療の基本的考え方」は,非定型肺炎の臨床的鑑別や,重症度評価にA-DROPスコアを導入するなど,わが国独自の要素も多数含みつつ,わが国における肺炎診療の標準化を牽引してきた.

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