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特集 最新の呼吸器疾患ガイドライン
肺炎のガイドライン
Recent Guidelines for Pneumonia
小出 卓
1
,
後藤 元
1
Takashi Koide
1
,
Hajime Goto
1
1杏林大学医学部付属病院呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, Kyorin University Hospital
pp.351-358
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101673
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はじめに
肺炎は,罹患率・死亡率ともに高く日常診療で診ることが多い疾患である.わが国の死亡原因として悪性新生物,心疾患,脳血管障害に次いで第4位であり,高齢者では死亡率が高い重要な疾患である.適切な治療戦略を立てるために重症度を的確に判断することが重要であり,市中肺炎,院内肺炎について各国でそれぞれの医療事情に合わせたガイドラインが発表されている.
市中肺炎については,日本では日本呼吸器学会(JRS)から2000年に「成人市中肺炎診療の考え方」が発表され1),次いで2007年には肺炎患者の生命予後の観点から重症度分類を行った改訂版が「成人市中肺炎診療ガイドライン」2)として発表された.米国では,米国感染症学会(IDSA)と米国胸部学会(ATS)が各々の立場から市中肺炎ガイドラインを発表していたが,2007年にはIDSAとATS合同の市中肺炎ガイドラインが発表された3).院内肺炎では,2005年にIDSA/ATS合同のガイドラインが発表され4),2008年にJRSより「成人院内肺炎診療ガイドライン」が発表された5).
本稿では,日本と米国の市中肺炎と院内肺炎ガイドラインを比較し両国の医療環境の違いについて若干の考察を含めて概説する.
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