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特集 肺炎診療マネジメント――ガイドライン改訂のポイントと今後の課題
市中肺炎のポイントと課題
Key points and challenges of community-acquired pneumonia
岩永 直樹
1
Naoki IWANAGA
1
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科呼吸器内科学分野
キーワード:
成人肺炎診療ガイドライン2024
,
抗菌薬適正使用
,
高齢者肺炎
Keyword:
成人肺炎診療ガイドライン2024
,
抗菌薬適正使用
,
高齢者肺炎
pp.182-186
発行日 2025年10月18日
Published Date 2025/10/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295030182
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本稿では,「成人肺炎診療ガイドライン2024」に基づき,市中肺炎(CAP)の診断,治療,抗菌薬の適正使用,高齢者肺炎の特徴,および今後の課題について,要点を絞って概説する.医療の高度化や超高齢社会を背景として,さまざまな程度の免疫不全宿主の存在によって肺炎が多様化している現状もあり,これまで以上に病原微生物を特定することが求められている.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行により,遺伝子学的診断が発展・普及してきており,今後の肺炎診療のパラダイムシフトになることが期待されている.また,超高齢社会をリードするわが国では,高齢者肺炎への効果的な対策を講じることは社会的要請でもある.健康寿命の延伸のために,“高齢者肺炎をいかに予防するか” を真剣に議論する時期にきていることを改めて強調しておきたい.そのためには,限られた抗菌薬の適正使用,予防医療の啓発活動,多職種連携による包括的介入が,今後のCAP診療に極めて重要な鍵となっているであろう.

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